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吉行淳之介  「花束」 (中公文庫)

吉行淳之介  「花束」 (中公文庫)
芸術分野、文学も含めて、一般人とは決して交わらない作家がいる。そうすると、したり顔の文化人がその作家まわりに集まり、あの人を理解しできるのは俺だけとカまびすしく広言する。そういう人は、大衆をバカにする。あの作家の芸術性を理解できないとは情けない。その広言がその作家の偶像を作り上げる。それで、大衆は何とかその作家を理解したくて、その作家の作品を購入する。
 吉行はそんな偶像のような作家である。美男子で格好もよい。銀座バーを毎晩徘徊し、美人たちを虜にする。そんな姿が偶像に拍車をかける。
 売れない画家がいる。暇をもてまわしている。それで、女のいるクラブに行って、女と遊ぶ。それが嵩じるから、クラブに通いつめる。2人の女をひきつれ泊まり旅にもでかける。
 凡な作家画家なら、暇はあるが金はない。女遊びをするためには金をどこからか調達せねばならない。そうすると金集めが女遊びより物語の主題となる。いかがわしい金を集め、そのうち破滅してしまうような。
 吉行はそうはならない。金の裏付けもないのに、女遊びがひたすら続く。凡人の読者はそこで悲しいため息をつく。

| 古本読書日記 | 12:50 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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