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石坂洋次郎  「青い山脈」(新潮文庫)

石坂洋次郎  「青い山脈」(新潮文庫)
今朝日新聞が夏目漱石の「こころ」復刻連載している。たくさんの本を読んでこの作品が名作なのだろうかといつも思う。タイトルのように先生を含め、こころの動き、それを告白として執拗に描く。そこは、孤独で暗く、かなり陰鬱である。しかし、人は人と語り合うことで、摩擦や悩み、認識の違いを知り、葛藤しながら日々を送っている。ずーっと孤独のなかで沈思黙考を重ねることは、現実ありえないか、ごく少数の人に限ったことを言う。
 人を描くには、語り合いが必須。しかし大作家といわれる人はかなりの数、会話を描くことが下手だ。そして悪い伝統なのだが、生き生きした会話が中心となる小説を一段低い質の小説として評価する。
 小説とはどんなものを言うのか。この「青い山脈」を読んでみてほしいと思う。見事な作品である。作家の批評精神も十分物語の基礎を支えているし、会話にそれぞれの登場人物の個性も発揮され、加えていつものユーモアもあますところなくちりばめてあり、これほど面白く、へんな言い方になるが、ためになり、考えさせ、それでも楽しい小説は無い。
 何回繰り返し読んでも全く色あせない。

| 古本読書日記 | 15:37 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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