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「京の夕だち」 水上勉 

水上勉  「京の夕だち」 (集英社文庫)
さえこは今43歳。夫は京都大学遺伝子学の教授で世界的権威者。この夫に23歳の助手の愛人ができる。夫は50歳を超えている。そして子供ができなかったこともありさえこは夫に捨てられる。夫は23歳の助手と再婚する。
 小島はさびれゆく映画会社の道具係だったが、リストラされ、退職金を全部つぎこみ小さな骨董商を営む。小島はまじめなところがあるが、そこは映画界。結婚も一度はしたし、
とっかえひっかえ女性との交渉も重ねた。
 その小島がさえこと知り合う。そして心底惚れる。愛する気持ちが大きいほど、さえこを大切に思え、肉体交渉をおそれてできない。信楽に一泊旅行をする。その旅館で、大風呂に二人ではいり、互いの体を見つめあうのだが、接吻までが精いっぱい。
 やがてさえこは置き手紙を書いて小島のしらないうちに去る。小島は生まれてはじめてほんとうの恋と失恋をしたことを知る。
 この本には3作の中編が収められている。2年以上完成にかかっていると水上は言っている。かなと漢字の使い分けが実に鮮やかで、一文一文がしみいるように心にはいってくる珠玉の作品集である。

by はなゆめ爺や

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