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 「浮遊昆虫」 松本清張 

松本清張  「浮遊昆虫」 (文春文庫)
短編集。
江戸末期から明治に勃興して巨大な政商にのしあがったのが岩崎弥太郎ひきいる三菱商会。実はこの三菱に比肩しうる政商が明治の初めにあった。藤田伝二朗率いる藤田組である。藤田組は西南の役で、大きな富を得た。
この藤田組に脅威を感じ、何とかせねばと思っていた岩崎。彼のバックアップとして君臨していた大隈重信と結託。藤田つぶしを画策する。
そのころ、偽2円札が関西以西で大量にでまわりはじめる。偽札は井上馨と結びついた藤田伝二郎がつくりばらまいたとして、警察は伝二郎を逮捕した。
そして徹底して藤田を傷めつけ、藤田が商売ができなくなったところで、犯人として全く藤田と関係ない熊坂なる普通人が逮捕された。
そう偽札犯人は実は大隈だったのだ。と清張は思わせぶりに書きあげる。
この中で清張はもう一つ。公式文書は常に当時の政治体制に有利なものだけが残されていたり、あるいは有利になるよう捏造されたものばかり。歴史や通史をひもとくものは公式文書を金科玉条のように扱うが、それは間違いで公式文書に頼らず、民間に眠っている資料や文書を発掘することなしでは本当の真実には近付かないと清張は言う。

by はなゆめ爺や

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