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 「西海道談綺①」 松本清張 

松本清張  「西海道談綺①」 (文春文庫)
松本清張  「西海道談綺②」 (文春文庫)
松本清張  「西海道談綺③」 (文春文庫)
松本清張  「西海道談綺④」 (文春文庫)
清張のなかで最大の長編。昭和41年から5年間週刊文春に連載。まあとにかく長い。一冊600ページ内外ある本が4冊もあるのだから。
 デュマ、スティーウ゛ンスンの「モンテクリスト伯」や「三銃士」を彷彿させる伝奇小説。最初と最後はよかったが、本の大半を占める中身がいただけない。
 いろんな事件が起こるのだが、登場する人物が全部同じで、コップのなかで水が動いているだけで、物語が進展しない。それが1500ページにもわたる。
 島という名の女性がでてくる。この女性は主人公の元女房の志津であることが作品に登場してすぐ類推できる。ところがそれが志津であることを作家が描くまでに登場から1300ページも費やす。
 おえんという柳橋芸者がでてくる。この芸者にあらゆる男が惚れこむ。それも生死をかけるほどに。だけど、おえんのどこにそんなに魅力があるのか全然描き出していない。だからすべてがうそっぽくなる。
 物語が、隠し金山不正追及なのか、おえん、志津をめぐる狂愛、偏愛小説なのか判然としない。
 欠陥だらけの小説だが、清張の持ち味はよくでている。
正しい、正義などで人間は動かない。動機はすべて私欲、利得の確保と拡大。
で、正しそうにみえる登場人物が悪になったり、正義にみえたりくるくる変転する。
 政治家や官僚というのは、しもじもから集めた税金をいかにかすめとり自分のものにするかの一点で行動する。
 最近銀行や日本航空に税金が社会的正義、社会秩序の崩壊を防ぐという名目で投入された。公的資金の一部はお礼、リベートとして政治家、官僚に流れる。公的資金投入というときは、腐敗の匂いぷんぷんであることを清張は教える。

by はなゆめ爺や

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