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 「砂の審廷」 松本清張 

松本清張  「砂の審廷」 (ちくま文庫)
戦後開かれた連合国による東京裁判についてのルポ風小説。
不思議な作品である。「昭和史発掘」にしても「日本の黒い霧」にしても、資料を駆使し、清張独特の嗅覚で、事件を推理してゆくのが清張ルポの特徴。戦前、戦後おきた事案でも東京裁判は最も清張が食指を伸ばしたくなる事案。
 にもかかわらず、この作品まず何を追及したいのかが不明。戦勝国側が一方的に敗戦国を軍事裁判によって裁くことが国際法違反であることか。
 20人のA級戦犯のなかで、なぜ思想家大川周明をとりあげたのか。大川は軍や政府にはいっていたわけではないし、軍需産業に身をおいていたわけでもなく、単なる民間人。そんな人間をA級戦犯で起訴することが正当か。
 大川周明は、米国関係者聴取の際は、まともに対応していたが、裁判になって突然発狂。
それで、不起訴になって釈放された途端に、正常人に戻る。発狂は偽装ではなかったのか。
 これらのどのテーマにも清張は突込んだり、推理を展開しない。
ほとんど、事情聴取などのおびただしい資料を提示するだけ。意図もよくわからないし、これを作品として出版するのも納得いかない。

by はなゆめ爺や

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