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「愛の矢車草」橋本治

BANANA FISHで有名な吉田秋生さんを含め、4つの短編に4人が挿絵を描いています。
吉田さんは、今よりも線が太いというか、素朴な感じの絵です。

若くて軽い女性の描かれ方がけっこう極端でした。
一話目は、「キャピキャピの女子大生」とあらすじにもありますが、何をしゃべってるのかわからない。
三話目に出てくる、カカリチョーと不倫している娘も、興奮して吠えまくっている小型犬のよう。
ただ、三話目の主人公や、四話目に出てくる母親のセリフや考え方(キャラクター設定?)はすんなり入ってきました。やっぱり、ドタバタ劇を演出するため、若い女性のバカっぷりを強調しているのかも。

パンティ泥棒が、
「あの女は下着を盗まれたいと思っていた。俺にはわかる。
同じアパートに住む他の女は被害に遭っているのに、自分だけ盗まれたことがない。「あなたも盗まれたの?」「困ったわね」という会話に入っていけない。被害に遭わないのは、自分がブスだからじゃなかと考えていた。
盗ってほしいが、目立つような干し方はできない。あの女の干し方には、その迷いが現われていた。あの女の寂しさがわかった俺は、盗んであげたのだ」
と偉そうに語る話は面白かったです。
私はセクハラにも痴漢にもあったことはないですし、なくて幸せだと思っていますが、話題に入れずもやっとする機会はありました。

4つとも、題材としてはいいと思います。
女子大生の話は、平成が舞台でもラノべっぽく書けそう。ちょっと下品だろうか。でも、さいきんはぶっとんだエッチいものもあるようだし……。
吉田さんが挿絵をつけている、小学生が父親になってしまう話も、シリアスなマンガにありそう。そういえば、コドモのコドモとか、14歳の母とか、数年前に話題になりました。
なかなか癖のある文章を書く方で、説明しすぎだったり強引だったり、どれもすっきりしない感じで終わってしまいました。
どの作品にも「寂しさ」が関係していたと、読み終えて一日たった今は思います。

橋本さんの本では他に、「つばめの来る日」と「蝶のゆくえ」を読んだことがあります。前者は男性を、後者は女性をテーマにした短編集ですが、つばめのほうが面白かったです。
連城さんと同年生まれですが、より男臭い話を書く人です。連城さんのほうがやっぱり巧いなあ。

ちなみに、私は大学時代も今も「ぴあ」は見たことがありません。

by はなゆめねえや

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