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 「宮部みゆき選 松本清張傑作短編コレクション」 松本清張

松本清張 「宮部みゆき選 松本清張傑作短編コレクション」 (下)(文春文庫)
「火の記憶」が印象に残る。昭和28年の作品で、まだ純文学を志向していた時期でミステリーは書いていないときの作品。その後の名作「張込み」の下地になる作品である。
 清張は父が博打や仕事に失敗して貧乏な少年時代を送った。だから12歳で社会にでた。
そこから、強烈な反抗心と我慢、それを克服するための自己研鑽を懸命に行い、42歳で作家として世にでるきっかけをつかむ。
 この清張の辿った道が貴重である。
今の世でも、貧乏や荒れた家庭に生まれ、学ぶことから離れて社会に放りだされる若者はたくさんいる。しかしそのすべてが荒れたままで彷徨して毎日を送る。清張のような人間はでてこない。(強いていえば西村賢太が清張に似ているか)
 だから、初期のミステリーを描いていない頃の、自らの生活体験が色濃くでた作品は貴重である。「火の記憶」で母と出奔した父を訪ねるときのボタ山の自然発火した帯のような火の流れが悲しく美しく描かれる。

by はなゆめ爺や

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