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 「きことわ」 朝吹真理子

朝吹真理子 「きことわ」(新潮文庫)
2011年芥川賞受賞作。
混濁している。眠っているのか、目覚めているのか。今起きていることが夢のなかのことなのか、現実に起こっていることなのか。現実と夢のなかを朦朧としながら往来している。
 まだ幼かった25年前、この葉山の別荘に2人はきていた。そして、いろいろ遊んだりしゃべりあっていた。25年後、この別荘は別の人にわたり壊されることになった。
 それで、最後に別荘で2人は会う。それもあの日以来25年ぶり。
 まったく25年前から全く動かず、変わらない家、部屋がある。でも、家の外は大きく変わっている。
 記憶を互いにしゃべりあう。2人それぞれ心に記憶していることが合わない。そんなことあったけ。あれほど強烈に残っていたはずの思い出記憶が、家の周りも変わって、それが実際に存在したのか、夢なのか。そして会わなかった25年も、あったのかなかったのか混濁している。
 その混濁や不確かさが、更地となってしまった別荘とともに消える。でも不確かな現実は残る。

by はなゆめ爺や

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