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 「小説日本芸譚」 松本清張

松本清張 「小説日本芸譚」(新潮文庫)
日本の古典芸術家の肖像を描いた短編集。
巻頭の「運慶」がなかでは面白かった。
運慶は父、康慶からに造仏の技術を習得した。康慶の仏像は天平芸術を汲んで、丸みを帯び穏やかな像である。これを運慶は忌み嫌った。芸術である仏像はもっと人間のありように近くないといけない。徹底した写実でなければならない。
 芸術は常に改革され斬新で新しくならねばならない。運慶は徹底した写実。仰々しい肉体、目玉に水晶を配し、ぎらぎら輝き、とびかからんばかりの仏像を造る。それは、公家
社会が崩壊、武家社会がはじまりその社会にふさわしい芸術であり、武士から圧倒的賛美を持って迎えられた。運慶とともに有名になったのは、同じ康慶の弟子の快慶。快慶は写実のなかにも天平芸術の丸み穏やかさを仏像にいれた。
 運慶の強烈さは快慶の台頭とともに、潮が引くように時代から取り残された。
運慶は、そのとき絶頂は一瞬にして終わり、新しいものにとってかわられる。快慶もすぐそうなるだろうと言って亡くなっていった。

by はなゆめ爺や

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