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「駅路」 松本清張 

松本清張 「駅路」(新潮文庫)
中編集。
半分の作品はすでに読んでいる。読んでいない作品のなかでは「偶数」と最後の作品「陸行水行」が面白かった。ここでは「偶数」の感想を記す。
 有名大学をでているのだが、協調性がなく仕事への意欲も少し欠けているのか、主人公は、他の同期がみんな課長に昇進してゆくなかずっと課長補佐のまま7年もとめおかれている。
 主人公はその原因を前の上司がひどいやつで自分を嫌っているためだと思っている。しかも間が悪いことにその課長は一旦別のところへ異動したが、再度部長に出世してまた主人公のところに戻ってきている。日々自分の不遇は部長のせいであると思い、部長を殺そうという気持ちがつのってくる
 あるとき部長に愛人がいることを知る。そして部長が偶数日には必ず21時に愛人のアパートに訪れることを知る。そこで偶数日の20時に彼女のアパートにゆき、殺人をおかして逃げる。そのあと部長がやってくる。部長が不倫の末殺人犯に疑われ、それが公けになると、逮捕されようがされまいが、部長は会社でも社会でも抹殺されることになる。
主人公の殺人は成功したように見えた。主人公は殺人の証拠となる指紋がついている、絞め殺したひもとアパートでだされた湯呑茶碗をポケットにいれ、タクシーを拾い自分の家に帰ろうとする。
 そのとき証拠となる紐と茶碗をどこかに捨てようとおもうのだが、どこでも誰かが見ているような気がして、なかなか捨てられない。
ここからが面白い。会社で恵まれない人間と小心者の殺人者の心理を鮮やかに描いている。

by はなゆめ爺や

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