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畠山健二    「本所おけら長屋三」(PHP文芸文庫)

 作家百田尚樹から大絶賛された本作シリーズ三作目。5作品が収録されている。
どの作品も落語の人情噺に、わさびの辛さがピリっと効いたようなくすぐりがあり、本当に面白い作品ばかり。

 大工の為三郎と八五郎が、美人の端唄の師匠に憧れ、けいこに通う話。武家の世子が、家を継ぐのを拒否し、落語家を目指す話など。最後は圧巻、涙と笑いの父娘の再会。それも長屋の大家徳兵衛と娘、菜種問屋の主人木田屋宗右衛門と娘のダブル再会。どれも、泣き笑いが見事に溶け合っている。

 何か言い方があったと思うが、コント55号の萩本欽一がよく使う観客の笑わせかた。
一旦観客を笑わせると、その笑いをしつこく重ねて強調し、笑わせる方法を思い出す。

 端唄を習う八五郎と為三郎。為三郎は怪獣が吠えるような叫び声をあげて歌う。一方八五郎は、とんでもない音痴。

 この二人が彼らの親分文蔵の引退式で、三味線名人の原島富太夫の演奏に合わせて端唄の披露をする。その時の親分の怒りのこもった言いぐさ。

「おう、てめえたち、おれの引退式にケチをつけようってえのか。それも二人揃ってときてやがる。なんだ、その端唄は。酒や料理がまずくなる。子供は泣きだす。爺さんは腰抜かしちまう。婆さんは座りションベンしちまった。俺に喧嘩でも売るきか。」

 重ね落ちが平板に繰り返すのではなく、クレッシェンドのように、だんだんおおげさになり、最後にどっと落とす。さすが演芸作家の畠山だ。

 この作品はシリーズ20巻で完成している。
それで、この作品を読んでビックリしたのだが、ある出来事が起こる、すると注釈が書かれこれは第5巻を、これは第7巻を参照と書いてある。

 読んでいる作品は第3巻である。
ということは、3巻が出版した段階ですでに第5巻、第7巻もできあがっているということになる。これは驚く。こんなことってあり得る?

 待てよ!この作品は文庫の前に単行本で出版されているのかな?それにしても3巻が文庫になるとき、すでに7巻が単行本で出版されたということ。少し信じられない。

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| 古本読書日記 | 07:02 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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