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アンソロジー   「死ぬまでにしたい10のこと」(ヴィレッジブックス) 

 映画「死ぬまでにしたい10のこと」に触発されて、小説家、漫画家を中心に10人の女性に死ぬまでにしたいことをつづってもらったエッセイ集。

 帯に前提として余命2か月と宣言された場合とある。しかし、この前提を守っていない作品も散見される。

 首をかしげたのが、コメンテーター、エッセイストの横森理香。

 横森はなかなか子供に恵まれず、何と出産ギリギリの年齢39歳で子供を産んだ。それで、この子供を育てたり、旅行したりして楽しんだり、結婚や成人の記念写真を撮りアルバムにしておく、更に、子供に孫が生まれ、この孫をいれて、多くの記念写真を死ぬまでに撮っておきたいという。

 これじゃあ、余命わずか2か月という主旨から完全にはずれる。今より倍くらい生きなければ、そんな希望は達成できない。
 出版社はよくこのエッセイを没にしなかったものだ。とても余命の言葉からくる、短命、薄幸という感じは全くない。

 その他のエッセイは殆どが、おいしいものを腹いっぱい食べたいとか、美しい静かな場所に移り住み、そこで最後を迎えたいというような常識的な作品ばかり。

 一つくらい、発想がつきぬけていて破天荒なエッセイはないものかと思っていたら、漫画家の倉田真由美の作品が少し突き抜けていた。

 倉田さんは、今までに自分からが告白して、振られた男が3人いる。
その2番目の男に再会したいと思っている。

  19歳の時、彼に連れられラブホテルに行く。そのホテル名が「野猿」。当時はやえんという言葉が無く、まさに名前は「のざる」。初めての経験なのに、その経験するところが「のざる」では失礼、悲しすぎる。
 あまりにも品や配慮が無い彼に怒り、その場で別れる。

  その彼に再会したいのだ。で、なぜ再会したいのか、彼が今はハゲで太ったと噂で聞いていて、それをどうしても死ぬ前に確かめたいから。

 それから、今付き合っている女性の友達に、知っている最上の男たちを連れてきてもらい、極上の合コンを開く。その時は、豊胸手術を受け、巨乳になって参加する。巨乳になって闊歩するのが最大の夢だったから。

 そして最後は景色の良いホテルで徹夜マージャンをする。その部屋で、柔らかな朝日をあびながらコテンと死ぬ。

 本当に倉田さんの最後は私からみても最高。

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| 古本読書日記 | 06:09 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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