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「ノラや」内田百閒

「トラや」を読んだので、「ノラや」も読むべきかなと。

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思ったよりも猫がいなくなるのが早かったです。猫が死期を悟って出ていったのに、飼い主があきらめきれずに探す話だと思い込んでいました。
ノラと暮らした一年半のエピソードはさほど多くなく、ノラを探して新聞広告を出してみたり、似た猫の死体を埋めたという電話が来たら掘り返しに行ったり、その後の話がほとんどです。掘り返すのは……すごいですね。
風呂の蓋に座っていた猫を思い出すのがつらいからと、いなくなってから長らくお風呂に入らなかったそうな。なかなか重症です。

ノラがいなくなって泣いている著者のため、毎日のように呼び出されて一緒に夕飯を食べていたという人が、なんとなく気の毒にも思えました。「たかが猫くらいで」なんて言わなかったんでしょうけれど。
もしかして、あとがきを書いている人が、その呼び出されていた人かもしれない。著者については全然知らず、交友関係もさっぱりわからないまま読みました。

猫と暮らすエピソードとしては、二匹目のクルのほうが多いです。「お前はノラと違う」「ノラはこんなことしなかった」と言われ冷たくされていたクルが、かけがえのない存在になっていく流れは、悲しいような心温まるような。

あと、猫の腋をくすぐるというエピソードは、杉作さんの漫画にもありました。私はやったことないです。ゆめこの腹をなでることはありますが。
二匹の猫が食べていたものは、なかなか豪華です。小鯵・鯖・かれい・なにやら高級そうな牛乳などなど。クルは毎日猫の医者に往診してもらっていたというし、昔の話(読みがわからない漢字がたくさんありました)だから飼い方が雑だと思っていたら、とんでもありませんでした。

我が家はたぶん、ここまで探さないだろうな。別に、愛していないわけじゃないけれど。

by はなゆめねえや

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