東野圭吾 「パラレルワールド・ラブストーリー」(講談社文庫)
もともと存在していた記憶を都合よく変えて、他人に話す。そして、その嘘を何回も繰り返すうちに、いつしかそれが本当にあったことに記憶がすり替わることがしばしば起きる。この現象を記憶改編という。
この物語の主人公崇史は、毎週2回朝の通勤電車で彼が載っている山手線と並走して走る京浜東北線にいつも同じ乗降口に立っている女性に気が付く。崇史が微笑みかけると、その女性も微笑みを返してくれているように思える。
崇史の少年時代からずっと親友である智彦が彼女を紹介するということで、崇史も女友達を誘って会うことになる。しかし崇史は不思議に思う。智彦は足がうまく機能せず、ずっと義足。そのためか、引っ込み思案で、彼女がいるなどということは全くなかった。
驚くことに、智彦が連れてきたのは、あの通勤電車で微笑みあった女性。名前は麻由子という。
ありえない!崇史は智彦に強烈な嫉妬を感じる。
それで、物語は突然、崇史と麻由子が同棲している場面に切り替わる。
ところが、よくわからないのは、どうして智彦と麻由子の関係が、崇史と麻由子同棲の関係に変わったのかということ。そして、崇史も、どうして、自分が麻由子と同棲しているのか、その記憶がいくら考えても、おぼろげでよくわからない。
実は、智彦も崇史も麻由子もアメリカの会社の日本研究所にいる。ここで、人工的に記憶改編を行う研究を行う。そして、チンパンジーを使って実験を繰り返し、その技術ができあがる。
長い物語になるのだが、ここで智彦の人体実験による、記憶改編が行われ。それに引き続き、自己申告で崇史と麻由子も「記憶改編」の人体実験に挑戦する。
これによりみじめな智彦の人生が作られ、麻由子、崇史の同棲時代が作り上げられる。
そこに至るまでの、智彦、崇史、麻由子の壮大な作品では描かれる。
智彦がせつない人生に陥ってしまう過程が読んでいて悲しくなる。
記憶改編が人工的にできる。そんな将来はやってきてほしくないと感じた。
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この物語の主人公崇史は、毎週2回朝の通勤電車で彼が載っている山手線と並走して走る京浜東北線にいつも同じ乗降口に立っている女性に気が付く。崇史が微笑みかけると、その女性も微笑みを返してくれているように思える。
崇史の少年時代からずっと親友である智彦が彼女を紹介するということで、崇史も女友達を誘って会うことになる。しかし崇史は不思議に思う。智彦は足がうまく機能せず、ずっと義足。そのためか、引っ込み思案で、彼女がいるなどということは全くなかった。
驚くことに、智彦が連れてきたのは、あの通勤電車で微笑みあった女性。名前は麻由子という。
ありえない!崇史は智彦に強烈な嫉妬を感じる。
それで、物語は突然、崇史と麻由子が同棲している場面に切り替わる。
ところが、よくわからないのは、どうして智彦と麻由子の関係が、崇史と麻由子同棲の関係に変わったのかということ。そして、崇史も、どうして、自分が麻由子と同棲しているのか、その記憶がいくら考えても、おぼろげでよくわからない。
実は、智彦も崇史も麻由子もアメリカの会社の日本研究所にいる。ここで、人工的に記憶改編を行う研究を行う。そして、チンパンジーを使って実験を繰り返し、その技術ができあがる。
長い物語になるのだが、ここで智彦の人体実験による、記憶改編が行われ。それに引き続き、自己申告で崇史と麻由子も「記憶改編」の人体実験に挑戦する。
これによりみじめな智彦の人生が作られ、麻由子、崇史の同棲時代が作り上げられる。
そこに至るまでの、智彦、崇史、麻由子の壮大な作品では描かれる。
智彦がせつない人生に陥ってしまう過程が読んでいて悲しくなる。
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| 古本読書日記 | 06:09 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑