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安藤祐介   「被取締役新入社員」(講談社文庫)

 小中高時代を通じて、いじめられ、通知表は「1,2,1,2・・・」が並ぶ、かけっこ練習のような状態、ちびでこぶとり、友達もできず、救いようのない主人公の鈴木信男。

 5社目の段ボール箱製造会社を辞め、興味半分、大企業とはどんな採用をしているのか、知りたくて、日本一の広告会社大曲エイジェンシーのアシスタント ディレクター募集に応募する。

 入社試験が変わっていて、玉ねぎの皮の剥き、炊飯器でのご飯炊き、焚きあがったごはんを3等分にして茶碗に盛るなど理解に苦しむ試験内容。そんな経験はしたことないので信男は、とまどい、迷いながらの最悪のパフォーマンス。これでは当然不採用と思っていたら、面接試験の通知。

 驚いて、会社に、電車を乗り間違え、30分遅れで行くと、受付で「お待ちしておりました。」とのあいさつ、面接会場に通される。

 面接は社長と取締役人事局長の桐野によって行われる。その席で、当たり前なのだが、実務試験では最悪のできだったと桐野より言われる。しかしその席で社長から

「人間は、感情で働く生き物です。そして、あなたには人の感情を大きく動かす力があります。」と言われ採用内定となる。

 それで、社長より入社の条件と使命が与えられる。社長が言う。
「うちは駄目な社員が必要なんです。どの部局も社員はエリート肌ばかりでプライドが高く、お互いに張り合って、すっかり疲弊している。あなたは一流のダメ人間です。仕事ができる優秀な社員たちの中にあなたが入れば、あなたは一層輝きを増します。」

 それで待遇。
給料20万円。待遇被取締役(取り締まられ役))、役員手当3000万円
素のまま徹底的にダメ社員ぶりを発揮する。
 週の半分以上遅刻すること。定時には退社すること。名前を鈴木信男から羽ヶ口信男に切り替える。

 そして、花形部署第一制作局に配属。そのダメぶりを如何なく発揮する。
当然だれも話しかけてこず、ひとりぼっちとなる。コピーもパソコンも使えず、何かすると騒動を起こす。とんでも社員となる。

 大顧客大江戸ガスとの恒例の大忘年会が開催される。信男が片隅で一人チビチビ酒を飲んでいると、大江戸ガスの社長より一発芸をするように命令される。

 信男はいじめられた時の経験を思い出し、お尻を丸出しにして、そこで屁をしながら、ライターで点火、ボっと火をもやす。これが、大江戸ガスの社長に大うけ。更に社長に贈られた誕生日祝いケーキのろうそくをお尻のガスで次々点灯させる。

 大江戸ガスの社長は、自然エネルギー使用促進のCMディレクターに信男を起用するよう要求。ここから信男の快進撃が始まる。

 いじめ撲滅キャンペーンCMの信男のいじめられても人間は頑張れるというスローガン「いじめられっ子世にはばかる」が印象に残った。
ありえない物語。でも楽しいファンタジーだった。

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| 古本読書日記 | 06:02 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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