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法月綸太郎   「雪密室」(講談社文庫)

 法月2作目の作品。
名作法月親子シリーズはこの作品から始まっている。父親法月貞雄は警視庁刑事。子である法月綸太郎は名探偵で、推理小説作家。

 篠塚真棹から結婚披露宴パーティの招待状が、法月刑事の元に届く。場所は信州の高原にある月蝕荘。泊まりがけ、法月刑事は有休をとってでかける。

 この月蝕荘に集まったのは
 篠塚真棹、夫になる篠塚国夫、沢渡冬規月蝕荘オーナー、沢渡恭平冬規の弟、峰裕子使用人、真藤亮陶芸家、真藤香織真藤の娘、武宮俊作歯科医、中山美和子モデル。法月刑事

 早朝5時45分法月刑事は沢渡恭平に揺り起こされる。真棹が寝ている離れの電話の呼び出し音が真夜中からずっと鳴りやまない。何か異変があるかもしれないから一緒に見に行こうと言われる。

 外にでると、一面の雪が積もっている。恭平は離れに走るが、法月は離れの合鍵をロビーから取って、恭平を追いかける。合鍵を使って部屋に入ると真棹が首を吊って死んでいる。

 恭平を追う法月刑事の前には、恭平の足跡しか無い。そして、ドアの鍵は閉まっている状態での遺体。それで、所轄署は真棹は自殺と断定する。しかし、法月刑事は殺人事件として独自に捜査を始める。

 この事件の一番の謎は、雪の上に足跡が恭平のものしか残っていない。犯人はどのように離れに行けたのか。このトリックは、私は作品を読んでるうちにわかった。

 こういう作品は、宿泊者の誰が犯人かと思って読みすすむが、ここが盲点。犯人は複数いるとすると、殺人の方法、可能性は広がることが読むとわかる。

 この作品は、謎解きの面白さに加えて、動機も背景も非常に丁寧に描かれていて、納得感十分の作品だった。

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| 古本読書日記 | 06:27 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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