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青木祐子  「これは経費で落ちません!8」(集英社オレンジ文庫)

会社のトラブル短編作品集。
その中の「なしくずしに宿泊所代わりにされてたまるか!」を紹介する。

 出張費用の不正取得の問題である。

主人公森若沙名子が勤める「天天コーポレーション」の出張手当は社内規定で次のように決まっている。
 日当2500円/日、宿泊費10000円/日、交通費実費、新幹線切符支給。

天天コーポレーションは主力工場が静岡にあり、静岡への、または静岡からの出張が頻繁にある。

 製造部静岡に転勤になった槙野は、家が東京にあり、静岡に単身赴任していた。そしてしばしば本社打ち合わせのために、東京に出張していた。

 森若が出張伝票を調べると、おかしな伝票がたくさんでてきた。

金曜日日帰り出張して、また週明け月曜日日帰り出張をしている。あるいは、ゴールデンウィーク、連休一日前と、連休明けの日に日帰り出張をしている。

 どうみても、出張した日は東京の家に宿泊、そのまま、土日あけまで家にとどまり、月曜に静岡へ帰る。また連休前日に東京宿泊、連休明けに静岡に帰る。そして東京-静岡間の余ったチケットは金券ショップで買い取ってもらい、お金を着服しているのではないか。

 また、天天コーポレーションでは月40000円の単身赴任手当が支給される。これは、月に2回、自宅と勤務地の往復交通費を想定しての手当である。

 だから、出張を利用して、自宅に帰れば、丸々40000円が浮くということになる。しかも、宿泊費は自宅に泊まれば、これは違反ではないが10000円がまるまる手にはいる。

 この作品では、森若が槙野と面談して問い詰めるが、槙野は不正を行うような社員ではなく、実際に全部の出張が日帰りしていたことがわかる。

 こんなことを書いてはいけないように思うが、出張費を浮かすのは社員の楽しみ。そこまで目くじらたてるとは、少し切なくなった。

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| 古本読書日記 | 06:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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