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原田ひ香   「東京ロンダリング」(集英社文庫)

 主人公は内田りさ子。親のつながりで大会社の社長の息子、池内泰弘と結婚。成城の豪邸で専業主婦の生活となる。

 泰弘のアドバイスで、カルチャーセンターで受講を始める。そこで知り合った菅という男性とホテルに誘われ抱かれる。この逢瀬を泰弘に証拠写真とともに責め立てられ、りさ子は
泰弘と離婚。冷たい世間に放り出される。

 そして、住む場所を探しているうちに、相場不動産にたどりつく。そこで、とんでもない提案を受ける。部屋を斡旋するが、住む期間は1か月。1か月が過ぎるとまた別の部屋を紹介する。

 そしてその間、部屋代はずっと0円。その上に1日5000円の日当をつけると。
実は、賃貸住宅というのは、前の住人が、自殺などで変死した場合、法律で、次の住人には契約時、その事故を告げることが義務つけられている。

 そんなことを事前に告知すると、その部屋を借りる人はいなくなるか、家賃は極端に安くしなければならなくなり大家は損害を被ることになる。

 この法律は不思議で、あくまで事故が起きたのは直前の住人までで、それ以前になると、大家は事故物件であることを告げる必要が無くなる。

 それで1か月でいいから、バイトとして住んでくれる人を探し、雇う。そうすると、その後の入居者には事故物件であることを告げる必要が無くなり、以前の家賃で新たな入居者と契約ができる。

 このバイトは誰でもできるわけではない。
まず、前の住人が変死したような部屋を怖がる人は、当然として、社交的、活動的で友人がたくさんいる人は、だめ。バイトの内容をしゃべったり、同じアパートの住人と交流をして1か月で消えると、住人が怪しむ。だから孤独でひっそり住むことを望む人でなければならない。りさ子はそんな条件にうってつけな女性だった。

 しかしりさ子は、いつも部屋に閉じこもってばかりの生活には耐えられなくなる。そして徐々に活動を開始し、外で食堂のバイトをするようになる。

 事故はアパートや通常の賃貸マンションだけで起きるとは限らない。
東京の中心、丸の内に建設された、複合施設つきタワーマンションで売れっ子女優が自殺
する。その部屋にバイトでりさ子が入居する。

 家賃105万円、コンシェルジェ付きの超高級マンション。そこでりさ子はとんでもないことをして、闇バイトを脱却して、人々が暮らす社会に飛び出してゆく。

 原田さんの物語は、いつもテーマが斬新で、質も高く感心する。何だか、世間お騒がせをテーマとする作家に分類されているのが非常に残念。

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| 古本読書日記 | 05:59 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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