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彩瀬まる   「さいはての家」(集英社文庫)

この物語の舞台は、築40数年になる、古ぼけた平屋の貸住宅。
ゴキブリなど当たり前にいるし、鼠も蛇もいる。他にも得体のしれない生きものがバンバンいそうな住宅。

 こんな家にやってきて住む人は、わけありの人ばかり。
年上の妻子がいる男と駆け落ちしてきた女性、殺人をして逃げている元やくざ、信者の娘の遺体を遺棄した新興宗教の女教祖、人が羨む縁談を捨てた姉とその妹、単身赴任をきっかけにして、安寧を欲する、妻と息子を捨てたサラリーマン。

 こんな人達、このボロ家を追い出されたら、もう死ぬしかないまでに追い詰められている。そんな追い込まれた人達のこの貸家で起こる、怪奇的現象や、ドタバタの出来事を作品は短編形式で綴る。

 彩瀬さん、こんな傷ついた人達、確かに辛い、怖い場面が連続させるのだが、何とかすべての人達を懸命に貸家をでていくことを思いとどまらせている。そして、このボロ家から気をとりなおして、新たに生きて行こうと決意させる雰囲気を最後に醸し出す。

 それは、暗く湿った家の外には荒れてはいるが、たくさんの花々やハーブが光あふれる庭が希望としてあるから。

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| 古本読書日記 | 06:17 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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