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冲方丁    「蒼穹のファフナー」(電撃文庫)

 太平洋に浮かぶ竜宮島。その島で、6人の少年、少女が聞いていたラジオから「あなたはそこにいますか」という意味不明な言葉。それは、未知の宇宙生命体フェストゥムからの侵攻開始の合図だった。

 島では、この攻撃に対抗するための組織「アルヴィス」が結成される。
そして、この決死隊に、スポーツ万能の少年、主人公の真鍋一樹が選ばれる。この真鍋一樹が操縦する万能飛行兵器がファフナーと呼ばれる。ファフナーは12機編成で敵と戦う。真鍋が機上するのはNO11。

 のっけから、真鍋の激しい戦いぶりが、詳細に描かれる。この迫力ある戦いがこの後も何回も描かれるかと思ったら、戦いの描写はこの1回だけ。後は対戦後の、真鍋の感慨や幼馴染との人間関係の変化が描かれる。

 この戦争で、真鍋は幼馴染、羽佐間祥子と蔵前果林を失う。そして6番機の誤射により、味方のチーム2人を失う。
 しかし、真鍋は、敵14機を撃墜する。編隊12機の中では最も多く撃墜した戦闘機数を誇り、英雄だった。

 ロシアのウクライナ侵攻では、富裕層がロシアから出国したり、徴兵を逃れるために出国した人達が大量に発生した。
 この作品の英雄真鍋の想いが、最後の数ページに書かれる。

「傷つくのも傷つけられるのも、もう、うんざりだ。
 誰も傷つけたくない。たとえ敵でも、もう傷つけないでくれと、懇願したい。
 それが本当なのだ。
 戦いから逃げて島を出たい。
 どこでもいい。自分が知らない場所へ、誰も自分のことを知らない場所へ、行きたいー
 島をでよう。
 いつかーそう、島が、本当に平和な場所にたどりついたときに、平和を守るという約束を果たしたときにこそ、そうして島を出れば、もしかすると、また帰りたいと思うかもしれない。
 嘘ではない自分が、そこにいるかも知れない。
 平和になったらそうしようー。」

戦争をやりはじめたプーチンは決して戦場へは行かない。傷つき、死んでゆくのは、無辜 の人々。勝っても負けても、ロシアを棄てる人々がたくさん発生するだろうとこの作品は教えてくれる。

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| 古本読書日記 | 06:34 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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