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冲方丁    「OUT OF CONTROL」(ハヤカワ文庫)

 8編の短編が収められている作品集。どの作品も個性的で冲方の類まれな才能を彷彿とさせる。
 内容が、感想を書きやすい作品となっているのが「箱」。

登場人物は、大手家電メーカーに勤める3人。涌井に容子に主人公の相田。3人は蔵前という社員と関係があった。涌井は蔵前の上司。容子は恋人。そして相田は同期入社で友人。

 蔵前は才能溢れた社員。相田は蔵前に負けまいとしてプロジェクトの企画書をだすが、いつも蔵前に敗れ、劣等感と嫉妬の塊となる。蔵前の企画は悉く当たり、社長賞など、多くの表彰を獲得する。その蔵前は仕事の鬼で、会社に寝泊まりして、超人的な働きぶりをする。

 そんな蔵前があるときからおかしくなる。煙草の吸殻を食べだす。その奇行が嵩じて、とうとう自宅で服毒自殺をする。

 3人が遺品整理のため、蔵前の家に行くと、所狭しと大量の空箱がある。これを3人でわける。涌井の考えで空箱をネットオークションにだす。すると驚くことに、空箱が5万円とか7万円とかどんどん値がつり上げられとんでもない価格になる。

 ある日、「箱に何が入っている?」質問がくる。指された空箱、中味は空のはずが、涌井がとりあげ揺すると、チャリンと音がする。その次に揺すると、ジャリンと音がする。変だと思い、涌井が箱の中に手を入れると、手が何かに刺され血だらけになる。

 次に、容子の箱が指される。その空箱からは、大量の腐った髪の毛がでてくる。

そして最後は、相田の箱が指される。空箱のはずが、箱がかってに動く。相田が明けると、中は真っ暗な闇。そこからにゅーっと手がでてきて、相田は暗闇にひきずりこまれる。そこで相田は気を失う。

 箱は売れたが、全部で5万円にしかならなかった。相田は意識がもどったとき病院のベッドの上にいた。

 相田はその後会社を移り、そこで仕事の天才と社員に崇められるようになる。だが、精神的におかしくなり、クリニックに行く。そこで箱をひたすら収集する箱療法を受ける。
結果相田は死ぬ準備にはいる。

 私は、平凡な人間。箱集めするような人間じゃなくてよかったと心底思った。

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| 古本読書日記 | 06:47 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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