fc2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

岩井志麻子   「合意情死」 (角川ホラー文庫)

 短編ホラー集。

この作品集を読んで思い出したが、私の小学校時代にはおじいさんの用務員さんが学校にいた。学校に住み込みだった。用務員さんは、先生たちのお茶を作ったり、学校で傷んだところを直していた。それから、なつかしく思い出すのは、授業の終了、開始時間は、今のようにベルや音楽を流すのではなく、用務員さんが大きなベルをもって、それをふりふり鳴らしながら知らせていた。そう、小学校に入学した当初は、校内放送の設備が無かった。

 物語の時代は明治の終わりか大正の初め。主人公の小宮は新人の小学校の先生。引っ込み思案で、あまり他人と会話ができない先生だった。

 唯一の楽しみが、帰宅途中にあるカフェー「カフェーオカヤマ」にたちよりくつろぐこと。
その「カフェーオカヤマ」で小学校時代の同級生安藤にでくわす。安藤は実家が呉服商を営んでいる資産家。安藤はそんな実家を継がずに、市内にアトリエを持ち、絵を描いている。

 安藤と書店主大岩、それと小宮のいた「カフェーオカヤマ」に女学生いせ子がやってくる。美人の女学生だった。そのいせ子が、安藤、大岩ではなく、小宮の隣に座る。小宮はいせ子が自分に好意を抱いていると感じる。でもとてもいせ子と話すことなどできない。自分には無理とはなからいせ子を諦める。

 しかし、ある日安藤より、いせ子をアトリエにつれてきてほしい、小宮から言えばいせ子は承知するからと。そんなことはとてもできないと放っておく。

 しばらくして大岩がやってきて、「安藤はいせ子をモデルにして、アトリエで妾にもしている。」と言う。
安藤の妻ミツヨはできた妻で、収入のない夫をカフェの店員や、料理屋の女給をして支えている。
ここで、やめとけばいいのに、憤慨した小宮が、ミツヨにこれは正義だと思い、いせ子と安藤の関係をミツヨに告げ口をする。

 しばらくして、安藤といせ子が心中したと大岩より知らされる。小宮は自分の告げ口が大変な事態を引き起こしたと悔恨する。

 そして、ミツヨから小宮はアトリエに連れてってくれるようにお願いされ仕方なく、ミツヨを小宮はアトリエに連れてゆく。

 すると小宮の目の前で、いきなりミツヨが全裸になる。そしていせ子を描いた絵と同じポーズをする。
ひしひしとミツヨの嫉妬、哀切が伝わってくる。

ランキングに参加しています。ぽちっと応援していただければ幸いです。
<

| 日記 | 05:56 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT