村山由佳 「てのひらの未来」(集英社文庫)
1999年にスタートした村山さんの「おししいコーヒーの入れ方」シリーズ。完結したのが2020年。全部で19巻が発行され、発行部数は累計540万部。ベストセラーシリーズである。
この作品、主人公の勝利、いとこの「カレン」、カレンの弟の「丈」3人の同居生活を中心に、勝利視点で描かれているが、「てのひらの未来」はシリーズのアナザーストーリーとして刊行された。勝利をとりまくたくさんの人達が登場するのだが、そのとりまく人達に焦点をあて、恋はもちろん、それぞれの生き方を描いている。もちろん勝利とカレンの物語も描かれている。
多くの登場人物の結節点になっているのが、カレンの兄さんがやっている喫茶店「風見鶏」。
そのマスターが喫茶店について言っている。
「駅から少し歩いた静かな環境で、時間帯さえ選べば落ち着いて読書なんかもできる。小腹が空けばピザトーストかサンドイッチか、定番のケーキくらいはでてくる。どこにでもあるような喫茶店だが、コーヒーだけはいつ行ってもきっちりと旨い。うちは、あくまでそういう店なんだ。」
そんなどこにでもありふれた喫茶店が、地方都市から消えて久しい。今喫茶店は規格型のセルフサービスの店か、駅のターミナルくらいでしか見られなくなった。ありふれてはなくなった。
私の家のまわりにも、少し年老いたおばさんがやっている喫茶店があった。朝7時からやっていて、30年前に行ったころは、モーニングサービスを食べているサラリーマンの人がいた。
しかし店が閉店してしまう頃は、近所の老人たちの将棋広場になっていた。
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この作品、主人公の勝利、いとこの「カレン」、カレンの弟の「丈」3人の同居生活を中心に、勝利視点で描かれているが、「てのひらの未来」はシリーズのアナザーストーリーとして刊行された。勝利をとりまくたくさんの人達が登場するのだが、そのとりまく人達に焦点をあて、恋はもちろん、それぞれの生き方を描いている。もちろん勝利とカレンの物語も描かれている。
多くの登場人物の結節点になっているのが、カレンの兄さんがやっている喫茶店「風見鶏」。
そのマスターが喫茶店について言っている。
「駅から少し歩いた静かな環境で、時間帯さえ選べば落ち着いて読書なんかもできる。小腹が空けばピザトーストかサンドイッチか、定番のケーキくらいはでてくる。どこにでもあるような喫茶店だが、コーヒーだけはいつ行ってもきっちりと旨い。うちは、あくまでそういう店なんだ。」
そんなどこにでもありふれた喫茶店が、地方都市から消えて久しい。今喫茶店は規格型のセルフサービスの店か、駅のターミナルくらいでしか見られなくなった。ありふれてはなくなった。
私の家のまわりにも、少し年老いたおばさんがやっている喫茶店があった。朝7時からやっていて、30年前に行ったころは、モーニングサービスを食べているサラリーマンの人がいた。
しかし店が閉店してしまう頃は、近所の老人たちの将棋広場になっていた。
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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑