畠中恵 「やなりいなり」(新潮文庫)
「しゃばげ」シリーズ10作目。10作目か。さすがの畠中さんも少し息切れしたように思う。それほどポンポンとアイデアが浮かぶというわけにはいかない。
その手をぬいたかなと思ったのが収録されている「からかみなり」。
空に雲はあるが、雨は降っていない。しかし、その状態で大きな雷の音が江戸に鳴り響く。こんな雷を「からかみなり」という。
そんな雷の中、薬師問屋兼廻船問屋、長崎屋の主人藤兵衛は小僧梅丸を連れて、外に用事にでていた。からかみなりが轟いたとき、藤兵衛が寄りたいところがあるから、店に帰りなさいと小僧梅丸に言う。
それから藤兵衛が、店に帰って来ず、行方不明となる。
長崎屋では、主人藤兵衛はどうしたのか若だんなの部屋にみんなが集まり、相談する。
ここからが畠中さんの手抜き。
貧乏神の金次。妖の屏風のぞき。兄の佐助。それぞれが自分の想像をしゃべる。
この想像に20ページ以上畠中さんは使う。
その行方不明になるきっかけから、実際の不明にいたるまでの経過を微細に、それぞれが想像を話す。
でも、どの想像話はどれも真相とは全く関係ない。
つまり、この部分20ページ余は、まったく読み飛ばしても、読者は問題ないのである。
ベストセラー作品を間断なくうみださねばならない宿命を背負った畠中さん、本当に大変なんですね。
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その手をぬいたかなと思ったのが収録されている「からかみなり」。
空に雲はあるが、雨は降っていない。しかし、その状態で大きな雷の音が江戸に鳴り響く。こんな雷を「からかみなり」という。
そんな雷の中、薬師問屋兼廻船問屋、長崎屋の主人藤兵衛は小僧梅丸を連れて、外に用事にでていた。からかみなりが轟いたとき、藤兵衛が寄りたいところがあるから、店に帰りなさいと小僧梅丸に言う。
それから藤兵衛が、店に帰って来ず、行方不明となる。
長崎屋では、主人藤兵衛はどうしたのか若だんなの部屋にみんなが集まり、相談する。
ここからが畠中さんの手抜き。
貧乏神の金次。妖の屏風のぞき。兄の佐助。それぞれが自分の想像をしゃべる。
この想像に20ページ以上畠中さんは使う。
その行方不明になるきっかけから、実際の不明にいたるまでの経過を微細に、それぞれが想像を話す。
でも、どの想像話はどれも真相とは全く関係ない。
つまり、この部分20ページ余は、まったく読み飛ばしても、読者は問題ないのである。
ベストセラー作品を間断なくうみださねばならない宿命を背負った畠中さん、本当に大変なんですね。
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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑