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三浦しをん    「人生激場」(新潮文庫)

 三浦さんが作家初期の頃、発表したエッセイ。力が入りすぎ。三浦さんとて、一般の人と変わらない日々を坦々と送っていた頃。もちろん、面白い事象や変わった事象に遭遇することはある。その変わった事象を、現実の120%ほどに膨らませ、あくまで現実ばなれしないように描くのが面白いエッセイのこつ。

 しかし、このエッセイでは、これ以上ないくらいに、三浦さんは膨らませるだけ膨らませ、完全に現実から遊離してしまい、何となく吉本新喜劇を見ているような思いになる。

 中華料理屋に少し大人数で行く。丸テーブルにつく。料理が次々並べられる。しかし困ったことに箸が異様に長い。これでは、自分の目の前の料理はつまめない。仮につまめても、自分の口近くには持ってこれない。

 それでどうなるかというと、向かいの人のために料理をとってあげ、食べさせてあげる。しかし、向かいの人が親切な人であれば問題ないのだが、料理をとって自分に食べさせてくれなかったら、どうしよう。自分はひたすら向かいの人に食べさせてあげるだけになってしまう。

 こんな妄想、エッセイがもりだくさん。

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| 古本読書日記 | 06:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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