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ブレイディみかこ   「THIS IS JAPAN」(新潮文庫)

 「ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」でベストセラーを獲得したブレイディ。現在イギリスに住み保育士資格を取って、最底辺保育所に勤務しながら作家活動をしている。

 そのブレイディが、一か月間日本にやってきて、保育所やホームレス、最底辺で暮らす人たち、それらを支援している人達を取材。その取材内容をまとめた作品。

 日本では、大きなデモがなくなった。
そういえば、立憲民主、共産党の幹部をみても、働く人たち、活動家の匂いのする人がいなくなった。強いていえば、共産党を除名された筆坂秀世がそんな匂いがするくらい。

 平和、平等、ジェンダー、SDG’S、女性の社会進出の促進などお題目を並べるが、本来社会の助けをもっとも必要としている人達の中にはいり、問題を拾い上げデモなどの活動につなげ、その圧力で政府に改革を求めていく活動は、政治家や個別の党とは切り離されてしまっている。

 更にこの作品では、山谷を中心にホームレス支援活動をしている人達とシングルマザーを支援するグループが話し合いをしているが、自分たちの活動内容を語るだけで、共通の課題、目標を見つけてともに活動しようという会話には全くならず、それぞれが孤立してしまっている。

 今は6軒に1軒は貧困家庭と言われる時代。政治も活動団体も孤立していて、つながらない。何か悲しい。

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| 古本読書日記 | 06:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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