伊坂幸太郎編 「小説の惑星ノーザンブルーベリー篇」(ちくま文庫)
伊坂幸太郎は小説の魅力溢れる作品を「小説の惑星」というタイトルの元に「ノーザンブルーベリー篇」「オーシャンラズルベリー篇」と2冊の本にして紹介している。
その紹介のまえがきで彼が思いを語っている。
「よく言われるように、今はたくさんの娯楽があります。時間は限られていますし、その中で無理やり、小説を読んでもらいたいという気持ちはありません。誰もが自分の好きなものを楽しめばいいなといつも思っています。・・・・ですので、このアンソロジーは、例えば『いくつか売れている小説を読んだのだけれど、面白いと思えなかったんです。』であるとか『ストーリーやどんでん返しは面白かったけど、それだったらアニメや漫画、映画、ゲームでもいいかと思った。』であるとか『あなたの書いた小説がどうにもつまらないので、もう小説という娯楽には手をださないことにします。』であるとか、とにかく、そう思ってしまった人たちに『小説を見限るにはこれを読んでからにして!』という本を目指しました。つまり、『これで小説はもういいかな、と思われたのなら仕方がない』僕は諦めがつく。そういった作品たちです。」
そして、短編なのだが、なるほどと面白く、文学の香り溢れる作品がこの本には収録されている。
そんな中で異色なのが宮部みゆきの「サボテンの花」。小学6年1組とあと2日で校長になれず定年退職する権藤教頭の少し霞がかかった話。
学園ものというのは、よく学校や父兄を生徒が振り回す出来事が起きるが、最後はハッピーエンドで終わる感動作品が多い。
そして「サボテンの花」もまさに典型的な学園もの。少し、哀歓を帯びるが最後は感動を誘う物語。うんうん唸って読む作品ではなく、気持ちを楽にして読める作品だ。
こんな作品を名作の中に入れるとは。ところが伊坂は言う。この作品を大学時代に読み大感動。自ら目指す小説。小説家になる原点になった作品と言う。
そうだよ。肩肘はらずに読めて、感動を与えてくれる。それが読者をひろげる。
伊坂が次々ベストセラー作品を生みだしている、原点が「サボテンの花」にはある。
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その紹介のまえがきで彼が思いを語っている。
「よく言われるように、今はたくさんの娯楽があります。時間は限られていますし、その中で無理やり、小説を読んでもらいたいという気持ちはありません。誰もが自分の好きなものを楽しめばいいなといつも思っています。・・・・ですので、このアンソロジーは、例えば『いくつか売れている小説を読んだのだけれど、面白いと思えなかったんです。』であるとか『ストーリーやどんでん返しは面白かったけど、それだったらアニメや漫画、映画、ゲームでもいいかと思った。』であるとか『あなたの書いた小説がどうにもつまらないので、もう小説という娯楽には手をださないことにします。』であるとか、とにかく、そう思ってしまった人たちに『小説を見限るにはこれを読んでからにして!』という本を目指しました。つまり、『これで小説はもういいかな、と思われたのなら仕方がない』僕は諦めがつく。そういった作品たちです。」
そして、短編なのだが、なるほどと面白く、文学の香り溢れる作品がこの本には収録されている。
そんな中で異色なのが宮部みゆきの「サボテンの花」。小学6年1組とあと2日で校長になれず定年退職する権藤教頭の少し霞がかかった話。
学園ものというのは、よく学校や父兄を生徒が振り回す出来事が起きるが、最後はハッピーエンドで終わる感動作品が多い。
そして「サボテンの花」もまさに典型的な学園もの。少し、哀歓を帯びるが最後は感動を誘う物語。うんうん唸って読む作品ではなく、気持ちを楽にして読める作品だ。
こんな作品を名作の中に入れるとは。ところが伊坂は言う。この作品を大学時代に読み大感動。自ら目指す小説。小説家になる原点になった作品と言う。
そうだよ。肩肘はらずに読めて、感動を与えてくれる。それが読者をひろげる。
伊坂が次々ベストセラー作品を生みだしている、原点が「サボテンの花」にはある。
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| 古本読書日記 | 06:46 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑