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恩田陸   「不連続の世界」(幻冬舎文庫)

 恩田が描くトラベル・ミステリー中編集。どの作品も、すごく面白いというわけではないが、その中で、強いてあげれば、最後に収
録してある作品「夜明けのガスパール」面白いかなと思った。

 学生時代の仲間、主人公の多聞、黒田、尾上、水島が中年になって、変わった旅行を計画する。香川まで讃岐うどんを食べにゆく旅。この旅程が変わっていて、東京を夜行列車ででて、香川まで行き、讃岐うどんを食べて、飛行機で東京に帰るという旅である。

 そして、夜行列車のなかでは、4人それぞれ、遭遇した怪談を披露することになっている。
多聞は、夜行列車の窓に映る自分の顔が嫌いだ。死に顔に見えるのだ。そして4人の死人が
怪談を喋りあっているのが気持ち悪い。

 多聞は何を話そうか、東京駅の待合で悩む。そして妻ジャンヌのことを話そうと無理やり決断する。

 妻ジャンヌは一年前、突然実家に帰ると宣言し、失踪する。多聞は、実家のフランスまで行ったがそこにはおらず、全く居所がわからない。

 そのうちに毎月ポラロイド写真が、封筒に入って送られてくる。ジャンヌからだと思いその写真がどこなのか懸命にチェックするのだがわからない。一枚の写真には、見知らぬ女の子がうっすらと幽霊のように写っている。水島や黒田に言われ、写真と封筒をみせるがやはりどこから送ってきたのかわからない。

 こんな話が終わり、残りの3人がそれぞれ遭遇した怪談話を披露する。その間、たびたび電話と言って多聞は席をはずす。
 その様子をみて、水島が皆の怪談話が終わったとき、多聞に言う。
「失踪したのは、お前だろう。お前が失踪先で写真をとりお前あてに送り付けていたのだろう。お前の妻と母親は伊豆の病院で倒れたお前の父親の面倒をみている。かかってきている電話はすべて妻から。それをお前は無言で答えているのだ。」

 そりゃあ、そうだ。そんな怪奇話、簡単には作れないよ。他の3人の話もあやしいものだ。だから、種明かしなんかしちゃだめだよ。一緒になって怖がらなくっちゃ。

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| 古本読書日記 | 06:43 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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