伊坂幸太郎編 「小説の惑星 オーシャンラズベリー篇」(ちくま文庫)
最近とみに思うのだが、例えばジェンダーとか沖縄普天間問題とか、それにすべてをかけて主張行動する人たちと、趣旨は理解するけど、そこまではできないという人たちの間に大きく深い溝ができていること。
この本はミステリー短編集。大江健三郎の「人間の羊」が印象に残った。
物語の時代は戦争直後でGHQが日本を統治している時代。
主人公の僕は、バスに乗る。日本人は後部座席に座ることが求められている。幾つかめの停留所でアメリカ兵3人と日本人女性が乗ってくる。4人は酔っていた。アメリカ兵が日本女性を抱こうと引き寄せたが、女性はそれを振り切って、後部座席の僕のところにやってきてしがみつく。
アメリカ兵は怒る。そして僕はズボンとパンツを脱がされ、通路にお尻をだして四つん這いにさせられ、時々尻を叩かれる。気が付くと、あと2人の日本人が僕の前で尻をだして四つん這いにさせられている。ある停留所で、アメリカ兵と日本人女性はバスを降りる。
僕を含めて3人はズボンをあげベルトをしめる。
そこに教員の男が登場する。男は泣き寝入りはいかん。警察に訴えましょうと熱弁をふるう。
しかしガソリンスタンド前の停留所で尻を出させられた2人を含め殆どの乗客は降り、乗客は教員と僕だけになった。
教員は警察署のある駅前の停留所にバスが止まると、僕の腕を引っぱって、警察署に連れてゆく。そして、バスの中で起こったことを警察に説明する。警察は命を取られるようなことをされたわけでもないし、被害届をだしても取り上げられるかわかりませんよ。と言う。
すると教員は激高して警察に詰め寄る。僕はもうそんなことはどうでもいいと思い、被害届はださないと言い、警察をでる。
教員が追いかけてくる。僕の名前と住所を教えてくれと。明日でも間に合うから被害届をだそうと、そして自分は残りの被害にあった2人、そしてアメリカ兵も調べ上げて、警察だけでなく、バスの出来事を世間に話す。と。
もういいと言ってるじゃないかと、僕は教員を振り切ろうとするが、必死で教員はついてくる。
凝り固まった正義は本当に鬱陶しいものだ。
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この本はミステリー短編集。大江健三郎の「人間の羊」が印象に残った。
物語の時代は戦争直後でGHQが日本を統治している時代。
主人公の僕は、バスに乗る。日本人は後部座席に座ることが求められている。幾つかめの停留所でアメリカ兵3人と日本人女性が乗ってくる。4人は酔っていた。アメリカ兵が日本女性を抱こうと引き寄せたが、女性はそれを振り切って、後部座席の僕のところにやってきてしがみつく。
アメリカ兵は怒る。そして僕はズボンとパンツを脱がされ、通路にお尻をだして四つん這いにさせられ、時々尻を叩かれる。気が付くと、あと2人の日本人が僕の前で尻をだして四つん這いにさせられている。ある停留所で、アメリカ兵と日本人女性はバスを降りる。
僕を含めて3人はズボンをあげベルトをしめる。
そこに教員の男が登場する。男は泣き寝入りはいかん。警察に訴えましょうと熱弁をふるう。
しかしガソリンスタンド前の停留所で尻を出させられた2人を含め殆どの乗客は降り、乗客は教員と僕だけになった。
教員は警察署のある駅前の停留所にバスが止まると、僕の腕を引っぱって、警察署に連れてゆく。そして、バスの中で起こったことを警察に説明する。警察は命を取られるようなことをされたわけでもないし、被害届をだしても取り上げられるかわかりませんよ。と言う。
すると教員は激高して警察に詰め寄る。僕はもうそんなことはどうでもいいと思い、被害届はださないと言い、警察をでる。
教員が追いかけてくる。僕の名前と住所を教えてくれと。明日でも間に合うから被害届をだそうと、そして自分は残りの被害にあった2人、そしてアメリカ兵も調べ上げて、警察だけでなく、バスの出来事を世間に話す。と。
もういいと言ってるじゃないかと、僕は教員を振り切ろうとするが、必死で教員はついてくる。
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| 古本読書日記 | 05:56 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑