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堂場瞬一    「蛮政の秋」(集英社文庫)

 メディア3部作の2作目。この後「社長室の冬」に続く。

この作品は、ネットメディアにおされて、新聞の凋落が始まり、このままでは新聞がなくなるのではということが物語の背景になっている。

 大手新聞社は政治家と組み、メディア議連を組織、下等な情報、スキャンダラスの情報などネットが流す情報を規制することを目指す。一方、日本の大手ネットビジネス会社は、ネット議連の議員にお金を配り、規制反対に寝返るようお願いする。

 この大手新聞社と政治権力の癒着、違法献金を追求解明し、表ざたにしようと、主人公の新聞記者南と野党の論客富永代議士が活躍する姿を描く。

 しかし本当に新聞はなくなるだろうか。確かに幾つかの新聞社は経営が行き詰まり、無くなる会社もあるかもしれない。年寄りのせいかもしれないが、新聞が消滅するとはどうしても思えない。

 新聞とネットでは盛り上がる情報が全く異なる。新聞は、ウクライナ問題、コロナ感染などが主記事となるが、もちろんネットでも新聞と同様な記事は掲載されるが、話題になるのは、立憲民主のCLP問題や、東京新聞の望月記者を描いた映画「新聞記者」などスキャンダラスの話題が中心。

 私は、朝日、東京、産経を購読している。産経がCLP, 「新聞記者」を少し取り上げていたように記憶しているが、朝日、東京は全く記事、話題にしていない。

 ネットと新聞では随分読み手の関心が違うものだと思った。
では、新聞がすべてデジタル化したらどうなるのか。

新聞の収入は、新聞販売数と広告による。デジタルでの収入は、記事購読に対する課金と広告料で賄うことになる。それから、新聞にはさまるチラシもばかにならない。

しかし、今の物理的新聞に掲載する広告料と同じ広告料は取れないだろうし、この作品でも書いてあるが、もし課金を実施すれば、購読者数は大幅に減るだろう。そんな媒体に広告を載せる企業が多くあるとは思えない。

 新聞とネットは掲載する情報の内容をすみ分けて生き残っていくだろうと思う。

 それにしても、堂場は多作すぎる。この作品も内容は薄い。

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| 古本読書日記 | 05:45 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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