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原田ひ香   「三千円の使い方」(中公文庫)

 この本、2,3日おきに、新聞の広告欄に今話題の本として宣伝がのる。本当にベストセラーになるくらいに売れているのかと疑問に思っていたところ、この前病院に行き、そこの小さな書店の売店にこの本が山のように積まれていた。

 なるほど売れているのだと思い、早速購入して読んでみた。
たった3千円で毎日をやりくりする、生活が厳しい女性の話かと思って読み始めたが、そんな雰囲気はなく、すこし面食らった。

 祖母琴子をはじめ母親智子、娘の真帆、美帆、御厨家3代にわたるそれぞれのお金の貯め方、使い方についてを中心に描いた物語だった。

 それにしても母智子が何となく切ない。

ガンになり、手術をして1週間の入院をする。そして退院の日。夫は仕事があるからと、娘2人も用事があるからと迎えに来ない。仕方なく友達の千さとに来てもらい、病室にある洋服など私物を家に智子とともに運んでもらう。

 夫は大手の会社に勤めているが、家に帰ると無言でテレビをつけ、黙々と智子の作った夕食をとり、家のことは一切しない。

 智子、退院した日くらい、家で身体を休めたい。しかし夕食を作らないといけない。病身をひきずるようにして、スーパーまで行き、食材を買って家に帰り、夕食を作り、食卓にならべる。

 夫は、それが当たり前のように、テレビをつけ、夕食を口に運ぶ。
智子は心底夫が憎いと感じる。

 友達の千さとも夫の不倫にあい、熟年離婚の手続が進行中。智子もだんだん離婚が現実味をおびてくる。

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| 古本読書日記 | 05:56 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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