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堀川アサコ  「定年就活 働きものがゆく」(角川文庫)

 60歳になった主人公の妙子。会社では、65歳まで働くことができるが、周りの女性社員からは陰でババアと毒づかれていたり、信頼していた上司が栄転になり、いやけがさして60歳で定年退職する。

 当然まだ働くつもりで就職活動する。

60歳過ぎて女性が再就職するのは相当大変だろう。この物語はその大変さを身に染みて味わう物語だろうと読者は想像する。ところがあにはからんや、会社は3つ受けるが何と2社で採用される。努力もする。医療事務の講座に通い資格もとる。この資格試験には満点で合格する。

 しかし受かった会社はどれも変な会社。一社は、会社でパソコンが、旧型が一台のみ。
しかも伝票の集計は、何とそろばん。そして、女性社員は当番でトイレ掃除をする。これに驚き妙子は一日で会社をやめる。
 まあ今時こんな会社はないと思うが。

落とされた1社が、医療事務資格満点で臨んだ、街の眼科医院。
当然、最も合格してもおかしくない職場。
何故不採用になったのか。実は採用されたのは、医療事務の講習にきていた若いピチピチの女の子。しかしこの子は講習には一回来たのみ。
そんな女の子を鼻の下をいっぱいのばして医院長が採用したのだ。

 街場の企業の採用基準はいい加減なところが多いし、やっぱし60歳を過ぎての再就職は厳しい。

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| 古本読書日記 | 06:02 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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