堂場瞬一 「社長室の冬」(集英社文庫)
全国紙の一角である日本新報は、発行数が300万部を切り、このままでは倒産というところまで追い込まれていた。この窮状を打開するために、アメリカの有力ネット情報誌AMCに身売り交渉を社長の小寺が行っていた。
ところがこの小寺が急死。その後任に新里がつき、引き続きAMCとの交渉にあたることになった。そして交渉の補助として、甲府支局の地方記者、誤報で失敗した主人公南が社長室に異動し、あたることになった。
500ページにならんとする大長編。しかし、内容が上滑りで中身が薄い。つまらない作品で読むのが苦痛だった。
まず発行部数300万まで落ち込むと、経営上どんなに数字の上で追い込まれ、更に部数が減少するとうなってしまうか明らかにしないと、大変だ、苦しいといくらたくさん書きこんでも、全くリアリティを感じない。
更にAMCに身売りするということは、新聞発行は諦めて、ネット上での記事配信となる。それが時流のように描かれるが、そうなった場合、配信はどんな形となり、日本新報はどのようにして、利益を産み出し、それがどんな見通しになるか明らかにしないと、特に社員は納得できるものではないし、多くの利害関係者は反対する。
新聞は時代遅れの紙発行では苦境は乗り切れないし、ネットでの発行は時代の趨勢であることは明白。だから、この点は当たり前のことだということを前提で物語は、そこが本当なのか全く掘り下げずに進行する。
しかし、私にはその前提が正しいのか疑問がある。
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ところがこの小寺が急死。その後任に新里がつき、引き続きAMCとの交渉にあたることになった。そして交渉の補助として、甲府支局の地方記者、誤報で失敗した主人公南が社長室に異動し、あたることになった。
500ページにならんとする大長編。しかし、内容が上滑りで中身が薄い。つまらない作品で読むのが苦痛だった。
まず発行部数300万まで落ち込むと、経営上どんなに数字の上で追い込まれ、更に部数が減少するとうなってしまうか明らかにしないと、大変だ、苦しいといくらたくさん書きこんでも、全くリアリティを感じない。
更にAMCに身売りするということは、新聞発行は諦めて、ネット上での記事配信となる。それが時流のように描かれるが、そうなった場合、配信はどんな形となり、日本新報はどのようにして、利益を産み出し、それがどんな見通しになるか明らかにしないと、特に社員は納得できるものではないし、多くの利害関係者は反対する。
新聞は時代遅れの紙発行では苦境は乗り切れないし、ネットでの発行は時代の趨勢であることは明白。だから、この点は当たり前のことだということを前提で物語は、そこが本当なのか全く掘り下げずに進行する。
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| 古本読書日記 | 06:04 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑