安東能明 「聖域捜査」(集英社文庫)
寝転がって、気楽に本でも読もうかって時は、だいたい警察物を読む。受け身で読んでも、頭にはいりやすいから。すみません安東さん。そういうことだから、警察物の需要が多いのか、本当に警察物の本は多い。書店に行くと溢れかえっている。
この作品の主人公は警視庁生活安全部の特別捜査隊を率いる40歳の結城警部。警視庁入庁以来、交通課と地域課を行ったり来たり。いつか捜査一課の刑事となり事件捜査をしたいと思っているのだが、生活安全部、風俗やダフ屋、万引きなどを取り締まる部門に勤務で事件捜査は殆ど行わない。それでも、腐らず、取り締まりのなかで事件が起きると、捜査一課の向こうを張って、捜査を行なおうと頑張っている。
私の日課である犬の散歩の途中に、ゴミ屋敷があった。すごい屋敷で、ゴミに囲まれて外から中の様子は見えないし、玄関がどこなのかもよく見ないとわからないほど。家に入るには体を横向きにしてカニの横ばいのようにしないと入れないほどだった。ゴミ屋敷ができると、関係ない人までが、そこの屋敷にゴミを持ち込むなんてことがあり、近くの住民が弱っていた最近どういう経過があったのかしれないが、家は取り壊され、ゴミも撤去され更地となった。
この作品にもゴミ屋敷が登場する。この屋敷には年老いて身体が不自由な女性と、その息子が住んでいた。
徘徊老人がいる。徘徊老人というのは、むやみやたらに、あてもなく徘徊することはあまりなく、だいたい幼少の頃育った場所、あるいはそこに似た風景のところに行くことが多いと聞く。
このゴミ屋敷に、老人ホームを飛び出して、2KMも歩いてしょっちゅうやってくる老婦人がいた。その時、必ず近くの畑からキャベツを獲り、そのキャベツをゴミ屋敷に放ってゆく。そしてそのキャベツからうじが沸いて、やがてうじがモンシロチョウになる。
実は、徘徊老人の娘は、売春をしていて、ラブホテルで殺害される。遺体のあった場所には、ウジむしがわいて、たくさんのモンシロチョウが舞っていた。
その殺人犯人にゴミ屋敷の息子が容疑者として上がったのだが、証拠不十分で逮捕されなかった。しかし母親である徘徊老人は、殺害犯人はゴミ屋敷の息子だということを知っていた。
だから息子が捕まるまで、ゴミ屋敷往復を繰り返していた。
その執念が、結城たちを動かし息子逮捕につながった。
娘を思う、母親の強烈な執念を感じる、この作品集に収録されている「ゴミ屋敷」という作品。
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この作品の主人公は警視庁生活安全部の特別捜査隊を率いる40歳の結城警部。警視庁入庁以来、交通課と地域課を行ったり来たり。いつか捜査一課の刑事となり事件捜査をしたいと思っているのだが、生活安全部、風俗やダフ屋、万引きなどを取り締まる部門に勤務で事件捜査は殆ど行わない。それでも、腐らず、取り締まりのなかで事件が起きると、捜査一課の向こうを張って、捜査を行なおうと頑張っている。
私の日課である犬の散歩の途中に、ゴミ屋敷があった。すごい屋敷で、ゴミに囲まれて外から中の様子は見えないし、玄関がどこなのかもよく見ないとわからないほど。家に入るには体を横向きにしてカニの横ばいのようにしないと入れないほどだった。ゴミ屋敷ができると、関係ない人までが、そこの屋敷にゴミを持ち込むなんてことがあり、近くの住民が弱っていた最近どういう経過があったのかしれないが、家は取り壊され、ゴミも撤去され更地となった。
この作品にもゴミ屋敷が登場する。この屋敷には年老いて身体が不自由な女性と、その息子が住んでいた。
徘徊老人がいる。徘徊老人というのは、むやみやたらに、あてもなく徘徊することはあまりなく、だいたい幼少の頃育った場所、あるいはそこに似た風景のところに行くことが多いと聞く。
このゴミ屋敷に、老人ホームを飛び出して、2KMも歩いてしょっちゅうやってくる老婦人がいた。その時、必ず近くの畑からキャベツを獲り、そのキャベツをゴミ屋敷に放ってゆく。そしてそのキャベツからうじが沸いて、やがてうじがモンシロチョウになる。
実は、徘徊老人の娘は、売春をしていて、ラブホテルで殺害される。遺体のあった場所には、ウジむしがわいて、たくさんのモンシロチョウが舞っていた。
その殺人犯人にゴミ屋敷の息子が容疑者として上がったのだが、証拠不十分で逮捕されなかった。しかし母親である徘徊老人は、殺害犯人はゴミ屋敷の息子だということを知っていた。
だから息子が捕まるまで、ゴミ屋敷往復を繰り返していた。
その執念が、結城たちを動かし息子逮捕につながった。
娘を思う、母親の強烈な執念を感じる、この作品集に収録されている「ゴミ屋敷」という作品。
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| 古本読書日記 | 06:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑