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佐々木譲    「沈黙法廷」(新潮文庫)

 一人暮らしの老人が、殺害される。捜査線上に浮上したのが、山本美紀という個人で家事代行業をしている中年女性。そして、山本美紀の周辺では複数の60代男性の不審死が起きている。東京の隣県、埼玉で起きた不審死。状況証拠のみで山本美紀を警察は逮捕、検察は起訴、裁判に持ち込むが判決は無罪。管轄の東京赤羽署は、埼玉同様山本美紀を殺人で逮捕し裁判に持ち込む。そして、その時から、容疑者山本美紀は黙秘に転じる。

 長い、大長編、738ページにも及ぶ。正直内容は、それほど目新しいものでもなく、またこんなに長編になるような物語ではない。特に公判部分が全裁判にわたり、詳細に描かれる。この部分が不必要な部分まで、描かれ、更に捜査の過程で描かれた内容が、殆どコピペしたように、同じ文章でしつこいくらいに繰り返される。

 佐々木は、法廷をリアルに描きたかったのだろうが、そのくどさが緊張感を薄れさせてしまう。
 もっと内容を凝縮して、スリルとサスペンス溢れる小説にしてほしい。

法廷を丹念に描き、読者に提示したいという佐々木の誠実さは買うが、しまりのない同じような中身を繰り返し読む者には辛い。

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| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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