今野敏 「寮生-1971年函館―」(集英社文庫)
主人公の僕は、道央の小さな港町の中学を卒業して、函館の全寮制の進学校、ここでは、著者今野が学んでいた名門函館ラサール高がモデルとなって思われるがーに入学、そして、一年生用の寮に入寮した。すると、入寮のわずか2日後に、2年生の寮生が、寮の屋上から転落死をとげる。
実は、入寮時、2年生による、毎年の恒例行事である、新入寮生を指導する入魂会という行事が行われていた。そして、この入魂会を企画実行した2年生のうち必ず誰かが今年と同じように転落死するという伝統があった。事実昨年も今年の転落死と全く同じ事態が発生していた。
この転落死事件の真相を、主人公の僕と仲間の寮生が追及する物語になっている。
著者今野の高校生時代1971年が色濃く反映している物語なのだが、どうしてかわからないのだが、全く高校生の香りが漂ってこない。
南沙織の「17歳」、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」からジャズの数々、サッカー部から男子校での茶道部まで、舞台では用意されているのだが、まったくそれらが融合せず、言葉だけが舞い散るという小説になっている。
こんなリアリティのない、青春小説にはあまり遭遇したことはない。
また、途中から犯人らしい高校生があぶりだされてくるが、この高校生が犯人では、あまりに単純でひねりがないから、最後とんでもないどんでん返しがあるのかと思っていたら、そのままあぶりだされた高校生が犯人になり、あまりにもの平凡さに驚いてしまった。
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実は、入寮時、2年生による、毎年の恒例行事である、新入寮生を指導する入魂会という行事が行われていた。そして、この入魂会を企画実行した2年生のうち必ず誰かが今年と同じように転落死するという伝統があった。事実昨年も今年の転落死と全く同じ事態が発生していた。
この転落死事件の真相を、主人公の僕と仲間の寮生が追及する物語になっている。
著者今野の高校生時代1971年が色濃く反映している物語なのだが、どうしてかわからないのだが、全く高校生の香りが漂ってこない。
南沙織の「17歳」、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」からジャズの数々、サッカー部から男子校での茶道部まで、舞台では用意されているのだが、まったくそれらが融合せず、言葉だけが舞い散るという小説になっている。
こんなリアリティのない、青春小説にはあまり遭遇したことはない。
また、途中から犯人らしい高校生があぶりだされてくるが、この高校生が犯人では、あまりに単純でひねりがないから、最後とんでもないどんでん返しがあるのかと思っていたら、そのままあぶりだされた高校生が犯人になり、あまりにもの平凡さに驚いてしまった。
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| 古本読書日記 | 05:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑