横溝正史 「扉の影の女」(角川文庫)
西銀座クラブ モンパルナスのホステス、夏目加代子の訪問を金田一耕助は受ける。
一昨日の夜、仕事の帰り途中、人殺しの犯人とぶつかる。殺されたのはボクサー臼井銀哉。その白井を巡って恋敵になっていた江崎タマキ。このままでは犯人にされてしまう。江崎タマキを助けてほしいと。
それで、名探偵金田一耕助の捜査と名推理が始まる。
他にも、交通事故にみせかけた殺人があったり、殺人場所に「叩けヨ ギン生 タマチャン」と書かれた紙きれが落とされていたり、殺害場所に遺体がなかったり、たくさんの怪しそうな人間が登場したり、同性愛者まで登場する。怪しさのてんこ盛り。
登場人物の造型もいかにも怪しげで見事。誰が犯人だろうとわくわくしながら読み進む。
そして、最後の「運命の十字路」でいつものように金田一耕助が登場して名推理を披露する。
ところが、その推理では犯人は誰なのか示されない。
そして最終章「蛇足」で犯人が判明する。
その犯人を知って驚く。犯人は作品の中に全く登場してないのである。
こんなのミステリーではあり得ない。横溝正史はおかしくなったのではないか。
調べてみると、この作品を書いていたころ、横溝正史は大不調。作品を書く意欲がまったくなくなっていた。それで過去に発表した短編を加筆修正して、長編化をしていた。
この作品も短編を長編化した作品だそうだ。
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一昨日の夜、仕事の帰り途中、人殺しの犯人とぶつかる。殺されたのはボクサー臼井銀哉。その白井を巡って恋敵になっていた江崎タマキ。このままでは犯人にされてしまう。江崎タマキを助けてほしいと。
それで、名探偵金田一耕助の捜査と名推理が始まる。
他にも、交通事故にみせかけた殺人があったり、殺人場所に「叩けヨ ギン生 タマチャン」と書かれた紙きれが落とされていたり、殺害場所に遺体がなかったり、たくさんの怪しそうな人間が登場したり、同性愛者まで登場する。怪しさのてんこ盛り。
登場人物の造型もいかにも怪しげで見事。誰が犯人だろうとわくわくしながら読み進む。
そして、最後の「運命の十字路」でいつものように金田一耕助が登場して名推理を披露する。
ところが、その推理では犯人は誰なのか示されない。
そして最終章「蛇足」で犯人が判明する。
その犯人を知って驚く。犯人は作品の中に全く登場してないのである。
こんなのミステリーではあり得ない。横溝正史はおかしくなったのではないか。
調べてみると、この作品を書いていたころ、横溝正史は大不調。作品を書く意欲がまったくなくなっていた。それで過去に発表した短編を加筆修正して、長編化をしていた。
この作品も短編を長編化した作品だそうだ。
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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑