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内田樹 池上六朗   「身体の言い分」(毎日文庫)

 哲学者であり武道家の内田と、話を聞いただけで一瞬で身体を治す革命的治療家池上とのロング身体論対談集。

 私が身体について、今まで読んで得た知識と真逆なことを内田がこの対談集で言っている。

 私は、例えば脳がないと、いくら手を傷つけても、痛いと反応することは無いと思っていた。傷つけられた瞬間、超高速でそのことが脳に伝わり、そこで脳が反応して痛いと感じるもの、痛いとか熱いというのはすべて脳によって発せられると思っていた。

 ところが内田によると、「水を飲みたい」と思ってコップをつかむという動作では、コップを掴むという動作が始まって、少し遅れて脳内で「水が飲みたい」という思念が発生すると言っている。水を欲しがるというのは身体であって、脳じゃない。身体がまず水を求めて動き出し、その動きをみて、脳が「俺はいったい何をやっているんだ」という疑問を持って「それは俺が水を飲みたいからだ」と解釈して、整合化を企てる。

 だから何か重大なことが現場で起こったら、上部の指令を待たずに、即現場で対処することが肝要。
 熱いフライパンに触ったとき、「このままでは火傷をするが、どうすべきか指示をしてほしい」なんて上司に判断を仰ぐなんてことは、あり得ない。即フライパンから手をどける。

 企業で大切なことはよくホウ・レン・ソウと言われるが、このホウ・レン・ソウという伝達形式は最もよくない。

 例えば、イワシは大きな群れをなして行動するが、あれで、イワシ同士がぶつかるということは無い。さりとて、イワシにリーダーが存在するのでもない。本能として、整然と行動する。こういう集団を機能集団という。本来人間も含め、生物は言葉の無い時代には、機能集団として行動していた。

 こんな場合、イワシのどれか一匹が、事故にあっても、機能として修正が本能的に行われ、誰かの指示を待つことはない。

 本当のような気もしないではないが、脳の指令が無くて行動を起こすというのはまだ信じられない。

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| 古本読書日記 | 06:04 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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