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江上剛    「トロイの木馬」(朝日文庫)

 一昨年4月、韓国が福島を中心に8県の農産物輸入禁止している問題で、日本がWTOに提訴していたが、韓国輸入禁止は正当との判定が下され、日本が敗訴した。

 私たちは、マスコミの報道により韓国の訴えが不当でWTOも組織が偏っていておかしいと思っていた。しかし、その時いかにWTOが偏っていようと、判決には何らかの根拠があったのではと少し頭のかたすみをよぎったことを覚えている。と言って、今まで何も調べてはいないが。

 日本は放射能などの汚染物質はアンダーコントロールされているとして、震災はすでに過去、復興五輪を通じて震災問題から目をそらせようとしていた。

 福島原発がメルトダウンにより、冷却水がセシウム、ストロンチウムなどに汚染されてしまった。現在汚染水はALPSという新しいシステムにより、放射性物質の除去を行っている。しかしこの方法ではトリチウムが除去できない。そのため、汚染水は放出できず、原発敷地内のタンクに入れられ保管されている。しかし、保管場所が敷地内ではおさまらず、海への放出が検討されている。

 原発反対立場の朝日新聞が、タンクの汚染水を調査したところ、基準値の2万倍の放射性物質が検出され、ALPS処理が済んだ汚染水の80%が基準値を超えて存在していたことを報道した。

 原因はさまざまあろうが、未だにこれだという原因は特定されていない。
とてもアンダーコントロール状態ではない。政府はこの事実をできるだけ隠そうとしている。

 更に汚染土の問題がある。汚染した土や草木は、黒い袋(フレコンパック)に入れられ、一時保管として、多くの所に放置されている。

 最終的保管場所が見つからないのである。人の住居の近くに漫然と放置されているのである。

 この物語は希代な詐欺師が登場する。通常詐欺師の物語は、見事な詐欺の手口を使い、大金をせしめ、悪の存在としての物語になる。

 この物語、鮮やかな手口は、通常の詐欺師物語と同じなのだが、その詐欺の手口を使い、「東北大震災で発生した汚染物質に対し何もしないで放置している」と正義の集団として登場、悪の政治家を追い詰める、変わった物語だ。

 しかし、やっぱり詐欺師は悪の知恵者。悪知恵を発揮し何もしない政治家を追い詰めて大金を貪る。

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| 古本読書日記 | 06:41 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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