米澤穂信 「本と鍵の季節」(集英社文庫)
高校2年の図書委員コンビ、堀川次郎と松倉詩門が、事件の謎に迫る5編の作品集。
この作品集、単なるミステリーではなく、コンビの高校青春物語になっているのが特徴。
少し奇抜な物語構成になっているのが2編目の「ロックオンロッカー」。
堀川が、いつも行っている理容室に松倉を誘う。新規の客を紹介すると、理容代金が2人とも4割引きになるからだ。
店に入ったのが、閉店時間近いこともあったが、客は堀川と松倉の2人だけ。それにしても客がその2人だけということは不思議だ。いつも、髪をカットしてくれる近藤という店員がやってきて挨拶してくれるが、それを遮るようにして、今まで話をしたことが無い 店長がやってきて、今日は店長自らがカットをしてくれると言う。
そして、店長は「貴重品は、絶対にお手元においてください。」と袋を手渡ししてくれる。
更に不思議なのは、カットの途中で
「閉店時間が近付いていますので、申し訳ありませんがお会計をお願いします。」
いくら閉店時間を過ぎても、レジでの会計時間などわずか、すべてが終了してから会計してもいいのではと。
しかし2人はカットの最中に会計を済ませる。
通常のミステリーは、事件が起きてから真相を追求するストーリー仕立てになる。
しかし、この物語は一向に事件が起きそうもない。どうなっているのだろうと首をかしげながら読み進む。
ここから松倉の推理が始まる。
この店デはロッカー盗難荒らしが最近起きている。それは、「貴重品はお手元に」というところをわざわざ「貴重品は絶対にお手元に」と言っている。しかも代金はカットの途中で払わせる。
盗難の犯人は理容室のスタッフの中にいる。しかも店長はその犯人は近藤だと気が付いている。だから自らカットを店長がする。多分予約も全部断っていたが、堀川の予約は近藤が受けたために断れなかったのだろう。と。
そして松倉が指摘していた通り、近藤がロッカー荒らしを行い、近藤は捕まる。
事件が最後に推理した通り起こる。逆のストーリー展開も確かに味わい深い。
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この作品集、単なるミステリーではなく、コンビの高校青春物語になっているのが特徴。
少し奇抜な物語構成になっているのが2編目の「ロックオンロッカー」。
堀川が、いつも行っている理容室に松倉を誘う。新規の客を紹介すると、理容代金が2人とも4割引きになるからだ。
店に入ったのが、閉店時間近いこともあったが、客は堀川と松倉の2人だけ。それにしても客がその2人だけということは不思議だ。いつも、髪をカットしてくれる近藤という店員がやってきて挨拶してくれるが、それを遮るようにして、今まで話をしたことが無い 店長がやってきて、今日は店長自らがカットをしてくれると言う。
そして、店長は「貴重品は、絶対にお手元においてください。」と袋を手渡ししてくれる。
更に不思議なのは、カットの途中で
「閉店時間が近付いていますので、申し訳ありませんがお会計をお願いします。」
いくら閉店時間を過ぎても、レジでの会計時間などわずか、すべてが終了してから会計してもいいのではと。
しかし2人はカットの最中に会計を済ませる。
通常のミステリーは、事件が起きてから真相を追求するストーリー仕立てになる。
しかし、この物語は一向に事件が起きそうもない。どうなっているのだろうと首をかしげながら読み進む。
ここから松倉の推理が始まる。
この店デはロッカー盗難荒らしが最近起きている。それは、「貴重品はお手元に」というところをわざわざ「貴重品は絶対にお手元に」と言っている。しかも代金はカットの途中で払わせる。
盗難の犯人は理容室のスタッフの中にいる。しかも店長はその犯人は近藤だと気が付いている。だから自らカットを店長がする。多分予約も全部断っていたが、堀川の予約は近藤が受けたために断れなかったのだろう。と。
そして松倉が指摘していた通り、近藤がロッカー荒らしを行い、近藤は捕まる。
事件が最後に推理した通り起こる。逆のストーリー展開も確かに味わい深い。
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| 古本読書日記 | 06:42 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑