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須藤靖貴   「消えた大関」(PHP文芸文庫)

 外国人大関荒把米(アラバマ)は、大関で2場所連続優勝していて、横綱審議委員会に横綱昇進の諮問がなされていた。十分に横綱になる資格は十分だったが、外国人力士の横綱昇進に審議委員が難色を示し、横綱昇進は見送られた。

 それでも次の場所、優勝か、それに準じる成績を残せば、横綱昇進は間違いない。そんな場所で荒把米は前半に不可解な連敗をし、しかも場所中に失踪、失踪した先で殺し屋に襲われる。

 物語は、瑤子というスポーツ新聞記者が登場して、名推理を展開する。彼女の推理がすっきりしていて、素晴らしかったのに、その後色んな事件を起こさせ、本筋がぼやけ、締まりのないミステリーになってしまった。

 相撲でよくわからないのが、相撲の訓練の基本は四股を踏むこと。四股を踏むことを真剣に鍛錬をしろとよく言われるが、それほどに四股を踏む鍛錬が重要なのかが全くわからない。

 この物語で四股を踏む鍛錬が最も重要かについて書かれている。
「腿やふくらはぎを強化するなら、もっと有効なマシントレーニングもある。しかし相撲という競技は、土俵の外に出されるか、転んだら負けだ。自分の体重を下半身がしっかりとコントロールできることが最重要だ。四股を踏むとき、足一本に全体重がかかる。この不安定な姿勢を反復することで抜群の安定感が得られる。
 土俵際、投げの打ち合いになる。互いに片足を跳ね上げ、もう一本の足を踏ん張って相手を投げるわけだ。頭を下げ、片足を高く上げた状態から勝負になる。この姿勢が取れない力士はそれ以前に淘汰される。どんな不安定な体勢になっても片足で立っていられる訓練なんだ。その体勢からでも上半身の力をだせるんだ。」

 なるほどよくわかる。少し相撲がおもしろくなりそう。

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| 古本読書日記 | 06:36 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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