七尾与史 「歯科女探偵」(実業之日本社文庫)
現役歯科医である七尾が描く、歯科ミステリー連作集。
3篇の中編が収録されている。1篇目からだんだん盛り上がるスタイルで3篇目が本格ミステリーとなっている。3篇は形式上独立した物語になっているが、クライマックスの3篇目のための仕掛けが1,2編めにちりばめられており、1,2編目もおろそかに読んではならないようになっている。
錦織早苗が経営する錦織デンタルクリニックは原宿表参道にある。錦織は歯科医だが、もう一人月城この葉が歯科医として勤務し、名探偵として活躍する。
この葉の父親月城葉太郎は歯科医と同時に大学の法歯学医としても仕事をしている。
法歯学というのは、殺人事件など起きると、遺体を解剖することがたびたびあるが、その解剖を行うのが法医学で、その中で歯形や歯の並び、形状を分析するのが法歯学となる。
主人公のこの葉は、ピアニストになることを目指していた。しかし13年前、父親葉太郎があるビルの階段から転落し死亡する。警察は事故死とする。更に、自宅が火事になり、この葉は逃げたが、母親は逃げ遅れ死亡する。この葉は、歯医者を経営する叔母さんの家で育てられる。この結果、この葉は、ピアニストを断念し、歯科医になることを決意する。
もう一つの事件の主人公中神香織は幼い頃浜松に住んでいた。その時浜松では連続幼女殺人事件が7件も起きていた。そして、最後の1件を香織は目撃していた。
中神香織は、大学時代、この葉の父と恋愛関係にあったのだが、自分の家で毒物を飲んで死ぬ。警察は自殺として処理する。
この葉は父親から、もしも父親に災難があい死んだら、この歯型の人間を探してほしいと金属で作られた歯形のネックレスを渡されていた。
香織の自殺、父親の転落死、歯型の金属ネックレスが連結して、事件が一本につながる。
このつながっていく過程の描写の手際が素晴らしく、読者をひきつける。よくできたミステリーである。
我が家の回りは、ほとんど老人の家。若い女性などついぞ見たことはない。ところがこの物語でもそうだが、近くにある歯医者は、医院長が30代半ばの美女、周りのスタッフも全員女性で、この人たちがすべて美人。どこからこんな若い女性を集めてくるのか不思議。
以前は歯科医は嫌いだったが、今は時々歯の調子が悪くならないものかと願っている。
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3篇の中編が収録されている。1篇目からだんだん盛り上がるスタイルで3篇目が本格ミステリーとなっている。3篇は形式上独立した物語になっているが、クライマックスの3篇目のための仕掛けが1,2編めにちりばめられており、1,2編目もおろそかに読んではならないようになっている。
錦織早苗が経営する錦織デンタルクリニックは原宿表参道にある。錦織は歯科医だが、もう一人月城この葉が歯科医として勤務し、名探偵として活躍する。
この葉の父親月城葉太郎は歯科医と同時に大学の法歯学医としても仕事をしている。
法歯学というのは、殺人事件など起きると、遺体を解剖することがたびたびあるが、その解剖を行うのが法医学で、その中で歯形や歯の並び、形状を分析するのが法歯学となる。
主人公のこの葉は、ピアニストになることを目指していた。しかし13年前、父親葉太郎があるビルの階段から転落し死亡する。警察は事故死とする。更に、自宅が火事になり、この葉は逃げたが、母親は逃げ遅れ死亡する。この葉は、歯医者を経営する叔母さんの家で育てられる。この結果、この葉は、ピアニストを断念し、歯科医になることを決意する。
もう一つの事件の主人公中神香織は幼い頃浜松に住んでいた。その時浜松では連続幼女殺人事件が7件も起きていた。そして、最後の1件を香織は目撃していた。
中神香織は、大学時代、この葉の父と恋愛関係にあったのだが、自分の家で毒物を飲んで死ぬ。警察は自殺として処理する。
この葉は父親から、もしも父親に災難があい死んだら、この歯型の人間を探してほしいと金属で作られた歯形のネックレスを渡されていた。
香織の自殺、父親の転落死、歯型の金属ネックレスが連結して、事件が一本につながる。
このつながっていく過程の描写の手際が素晴らしく、読者をひきつける。よくできたミステリーである。
我が家の回りは、ほとんど老人の家。若い女性などついぞ見たことはない。ところがこの物語でもそうだが、近くにある歯医者は、医院長が30代半ばの美女、周りのスタッフも全員女性で、この人たちがすべて美人。どこからこんな若い女性を集めてくるのか不思議。
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| 古本読書日記 | 06:33 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑