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モノカキ・アエル   「くちぶえカルテット」(実業之日本社文庫)

 高校へ入学して、吹奏楽部にはいったが、引っ込み思案だったり、少し生意気だったり、周囲の人達に溶け込むことができず、浮いてしまった4人が、口笛に活路を見出して、見事な演奏をするまでの感動の青春小説。

 口笛について、4人の生徒の一人真子が解説する。

「あなた、口笛で音がでる仕組みについて、ご存じ?口の中に空気の圧をかけて乱気流、ノイズを発生、口腔内で共鳴させているの。ヘルムホルツ共鳴っていうのよ。そうすることによって増幅された口笛の音は、人の耳にとって聞き取りやすい周波数域になる。口笛の音は、人の口からでる音でありながら、かなり遠くまで聞こえるようになっているの。だから口笛はすごいのよ。
 口笛は舌の位置や形、唇の広げ方、口腔内の広さによって音を変える。練習を積めば3オクターブまでだせるようになるし、ビブラートだってできるようになる。息を吐きだすときだけじゃなく、吸い込む時にも音を出す技術を身に着ければ、間断なく音を出し続けることができる、とても有能な楽器なの。」

 この作品によると、ある民族は遠く離れた人と、口笛を使いコミュニケーションを取っていたことも書かれている。

 試しにYOUTUBEで確かめてみた。驚愕の動画に遭遇した。特に、口笛世界一の奏者分山貴美子さんの演奏は素晴らしかった。

 作者モノカキ・アエルさんはVtuber小説家の第一人者。

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| 古本読書日記 | 06:20 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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