鳴海章 「鎮魂 浅草機動捜査隊」(実業之日本社文庫)
以前、我が家に、何の用事もないのに、ごはんちょうだいとかお金ちょうだいとしょっちゅうやってくる女の子がいた。いつも着たきりスズメで、汚れていた。追い返しても、追い返してもしつこくやってきた。変だなあと思ったのは、小学校へ行っていてもよい年頃なのに全く学校へ行っている様子が無かった。そのころ私も社会制度がよくわからず、困ったなあと思っていたら、数か月でやって来なくなった。
通報により、現場に駆け付けた女性刑事小町。その現場には明らかに覚せい剤中毒で昏睡状態になっていた裸の女とその横に息絶えた赤子がいたところから物語は始まる。
物語によると、現在の日本には、居所不明児童生徒は全国に12-300人いるそうだ。これは、家族と一年以上連絡がとれなくて、登校してこない子の数。
それ以上に問題なのが、戸籍のない、つまり出生届がだされていない就学年齢の子供が150人程度はいるようだ。
この女性の横で死んでいた子供も、出生届が出されていない、あるいは出すことができない子供。
そのことが、事件の背景となっているミステリーである。
海外では、子どもの基本的人権が固く守られる。国連でも定められている。家庭内暴力やDVで子供が窮地においやられる。国連条約では、そんな子供たちはしっかりとした家庭に養子縁組されねばならないとしているが、日本では殆どの子が18歳まで保護施設で過ごし、養子縁組される子供は10%しかいない。
そういうことが、物語の進行にあわせて、日本の子供問題として描写される。
ミステリーとしては謎解き仕掛けの要素が殆ど無く、凡作である。
子どもの高い貧困率もあり、日本の子供問題は深刻な状況であると物語は訴える。
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通報により、現場に駆け付けた女性刑事小町。その現場には明らかに覚せい剤中毒で昏睡状態になっていた裸の女とその横に息絶えた赤子がいたところから物語は始まる。
物語によると、現在の日本には、居所不明児童生徒は全国に12-300人いるそうだ。これは、家族と一年以上連絡がとれなくて、登校してこない子の数。
それ以上に問題なのが、戸籍のない、つまり出生届がだされていない就学年齢の子供が150人程度はいるようだ。
この女性の横で死んでいた子供も、出生届が出されていない、あるいは出すことができない子供。
そのことが、事件の背景となっているミステリーである。
海外では、子どもの基本的人権が固く守られる。国連でも定められている。家庭内暴力やDVで子供が窮地においやられる。国連条約では、そんな子供たちはしっかりとした家庭に養子縁組されねばならないとしているが、日本では殆どの子が18歳まで保護施設で過ごし、養子縁組される子供は10%しかいない。
そういうことが、物語の進行にあわせて、日本の子供問題として描写される。
ミステリーとしては謎解き仕掛けの要素が殆ど無く、凡作である。
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