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立川談四郎   「シャレのち曇り」(PHP文芸文庫)

 立川談志に弟子入り、そこから今までの落語家人生を小説仕立てで綴った、談四郎物語。

物語によると、現在の東京落語家は約300人いるそうだ。落語家をみるのは「笑点」とワイドショーのコメンテイター位。よく生活ができるものだ。談四郎の師匠談志は、落語一本にこだわらず、仕事はなんでも取りに行けという主義。それで立川系の落語家には談四郎のように小説やエッセイを発表する人が何人かいる。

 それにしても食えない。特に二つ目は最もひどく、殆ど高座にあがることが出来なくて悲惨。

立川談之進に兄弟子が言う。
「おい談之進、お前が一門で一番貧乏なんだってな。なんでもこの間マヨネーズを持って、キャベツ畑にしのびこんだというじゃないか。
 どれだけ食ったんだ。」
「すみません。腹が減ってたもんで、2玉食いました。」
「それでおいしかったか。」
「今年の出来は去年より良かったです。」

愕く、毎年食べているんだ。

談四郎は変わっていて、真打披露宴を、生前葬と同時にしようと考えた。師匠の談志は「それは、面白い。是非やろう。」と応援してくれた。場所は芝の増上寺。3人も坊さんがやってきてお経をあげてくれた。祭壇の真ん中には遺影ではなく、喪服を着た談四郎がいる。

偉い人が弔辞を言う。終わると合掌。それにあわせて遺影も頭をさげる。知っている仲間が遺影に向かって手をふると、遺影も応えて手を振り返す。

最後に師匠談志が挨拶する。

「この仕掛けほめてやります。よくやったと思います。ただ一つだけ注文をだせば、こいつがなぜ生きているかということです。死にゃあいいんです。死んだら『弔いをやりたいがためにほんとに死んじゃった。ばかだねあいつは』ということになって、後世に名を残すんです。こいつはバカでシャレがわかんねえから生きてます。」
 談志すばらしい。最高!

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| 古本読書日記 | 06:50 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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