中山七里 「合唱」(宝島社文庫)
幼稚園で無差別殺人事件が起きる。園児3人と保育士2人が殺される。犯人は麻薬常習者の仙街。仙街の取り調べに天生検事が担当する。犯人仙街は直前に麻薬を注射していて事件の記憶は全くないと主張。刑法39条で、事件を起こした当事者が、心神喪失者であれは罰せられない。この条項を適用するために、麻薬を打ち、記憶にないという主張している。ここを突破しないと起訴できない。懸命に仙街を問い詰めるが、記憶にないの一点ばり。
そして、何と天生検事が取り調べ中に意識を失う。そして意識を取り戻すと、犯人仙街が銃に撃たれ、目の前で死んでいる。
絶体絶命の天生検事。この天生の危機に、司法修習生時代の同期だが、法曹界には進まず世界的ピアニストになっている岬洋介が解明に立ち向かう。
この物語で2つのことが真相を暴く鍵となっている。
交通事故では、事故の損害割合を決めるため、警察の現場検証で片を付けるのが難しい時、民間の鑑識センターに正確な検証を依頼し決めることがしばしばあるそうだ。
この物語では警察の鑑識ではなく、天生は、民間の鑑識会社(現実存在するのか知らないが)鑑識を依頼して大きな壁を突破する。
それから刑事訴訟法31条1項で、弁護人は弁護士の資格を有する者しか選定できないとしているが続く第2項で、一定の場合においては弁護士以外の者を弁護人に選任することができるとしている。
この第2項を利用してピアニストである、岬洋介が天生検事の弁護人になる。こんな盲点があるのだ。中山は面白いところをつく。
ここから、岬の真相をついてゆく弁舌と活躍が面白く、見事だ。
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そして、何と天生検事が取り調べ中に意識を失う。そして意識を取り戻すと、犯人仙街が銃に撃たれ、目の前で死んでいる。
絶体絶命の天生検事。この天生の危機に、司法修習生時代の同期だが、法曹界には進まず世界的ピアニストになっている岬洋介が解明に立ち向かう。
この物語で2つのことが真相を暴く鍵となっている。
交通事故では、事故の損害割合を決めるため、警察の現場検証で片を付けるのが難しい時、民間の鑑識センターに正確な検証を依頼し決めることがしばしばあるそうだ。
この物語では警察の鑑識ではなく、天生は、民間の鑑識会社(現実存在するのか知らないが)鑑識を依頼して大きな壁を突破する。
それから刑事訴訟法31条1項で、弁護人は弁護士の資格を有する者しか選定できないとしているが続く第2項で、一定の場合においては弁護士以外の者を弁護人に選任することができるとしている。
この第2項を利用してピアニストである、岬洋介が天生検事の弁護人になる。こんな盲点があるのだ。中山は面白いところをつく。
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| 古本読書日記 | 06:18 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑