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開高健    「瓶のなかの旅」(河出文庫)

 愛してやまないお酒とたばこ、喫煙に使うパイプを中心としたエッセイ集。

平凡で、普通の社会人を送っている私はどうも開高健の凝りに凝ったお酒や莨(煙草ではない)やパイプの話は本当に知識関心がないため苦手だ。

 晩酌は第3のビール。煙草はやめて30年以上。

面白いことが書いてあるのだろうが、頭も体も受け付けない。読んでいて眠くなってしかたがない。このままで、終わるのかと思っていたら、終盤やっとすーっと入り込んでくる文章が登場した。

 開高健は大阪市大を卒業して、寿屋(今のサントリー)に入社した。戦争の爪痕が残る時代だった。東京支店に勤めた。
「その頃、寿屋の東京支店は茅場町のゴミゴミした裏通りの運河沿いにある木造2階だてで、ちょっと見たところでは二流の保険会社の場末の出張所みたいな家であった。夕方になって東京湾からの潮がさしてくると、夏など、名状しようのない悪臭がたちこめた。運河にはギッシリと団平船が浮かび、帆柱という帆柱におむつが翻り、おかみさんがへさきのあたりでしゃがんで米をといだり、洗濯をしたりするのが見られた。」

 そうだよ。昭和20年、30年代には船で生活している人が多くいた。

開高は寿屋では、宣伝部に所属。広告のキャッチコピーなどを作っていた。
その後、サントリーは「洋酒天国」という雑誌を作り、トリスバーやサントリーバーにおいた。この編集者に開高がついた。

 本当に忙しかった、エッセイを取りに、文芸人のところに出向く。それでも埋まらず、開高自身がエッセイ、コラムを書く。

 更に、開高を忙しくしたのは、読者からの投稿も勝手に作って書いていたから。

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| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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