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桜庭一樹   「砂糖菓子の弾丸は打ちぬけない」((角川文庫)

 小学校や中学校の同級会に出席すると、出席者から色んなエピソードを聞くが、全く記憶にないことばかりだ。それにしても、こんなに記憶にないとは、自分はバカではないかと自己嫌悪にしばらく陥る。

 それも辛いから、どうしてかと突き詰めて考える。すると、きっと人間は少年少女期から、思春期、そして青春期に変わるとき大きく変わるからではないかと思う。

 例えば、幼少のころはサンタクロースが存在することは当然と思っている。周りは「そんな者いるわけないじゃん」とバカにするが、とっくみあいをしてまで、相手こそバカではないかと大喧嘩する。そして気が付くと自分もサンタクロースは存在しないと思っている人間になっている。どこかでコロっと変わっている。

 この作品のなぎさ、家が母子家庭なこともあるが、自分は中学を卒業したら、住んでいる町にある自衛隊にはいろうと考えている。生活費までもってくれて、給料までくれるのだからこんな素晴らしい仕事はない。

 これがどうみても一番と信じているから、母親や先生がそれはやめなさいということが全く理解不能となり、体をはってでも喧嘩しようとする。母親や先生の言っていることこそわけわからないから。

 それからなぎさの親友となる、転校生の藻屑は、父親のDVにより、体中傷、痣だらけ。
それが原因になっているかもしれないが、自分は人魚であると思い込んでいる。それで、すべての言動が人魚そのものになっている。

 それがコロっと変わり、普通の人間になる。もちろんそのままの人もいないわけではないが。そんな人は精神的に問題がある人として扱われる。

 その変化の時は男は変声期、女は初潮を経た時なのだろうか。
桜庭さんの、この作品も見事だが、こういう変化を上手に描ける作家に、辻村深月がいる。

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| 古本読書日記 | 06:27 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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