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長野まゆみ    「新世界5th」(河出文庫)

 この作品は、私のような年寄りにはついてゆけない。セックスはどうしても、まず恋愛感情が前提だと思うから。

 この物語では、男性しか生まれてこない種族や、女性しか存在しない地域があり、その問題を、女性、男性の機能をそれぞれ反対の性の人達に移植することにより、SEXが当たり前のように行われる世界にしようとする試みが描かれる。

 本来女性なのに、機能だけ、男性として取り付けられる。機能だけは、快楽を醸成する。しかしSEXは機械的になされ、そこには感情のたかぶりはない。快楽だけは、発生するため、快楽があれば、人前であろうが、羞恥という感情は無く、どんな場所でも、自らが衣服をとっぱらい、セックスを行う。

 シュイという主人公が、少年と砂浜で性行為を行う。シュイは、男性なのだが、機能だけ女性に変えられている。

 「なかば沙にうずもれた下肢の消息は、すでに境界を見失うほど少年との間で曖昧になった。はじめは少年がシュイの身体を侵食した。その回路は、少年が穿つまでにシュイの身体には何の気配もあらわれていなかったものだ。少年の器官に触発されて生じたとしかおもえない。しかも、ひとたび少年がシュイの身体から離れると、回路の在り処には痕跡すら残らなかった。ただ、体のなかにある空隙が生まれた。それが変化らしい変化だった。」

 読んでいて、どこか非常にむなしい。

 人間の世界にだって、売春という恋愛感情のない機能だけのシステムが存在してきた。しかしこれにはお金が必要だった。機能だけで行為が行われてはいない。動物だって、気に入らなければ行為はない。

 将来は長野さんの描くような世界になるのだろうか。未来は暗いなあと思う。

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| 古本読書日記 | 06:33 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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